外国人児童生徒の就学把握 先進自治体の事例を報告

増加する外国人児童生徒の教育課題を検討している文科省の有識者会議は10月28日、第5回会合を開いた。不就学の状態にある外国人児童生徒が全国で約2万人に上るとされている中で、自治体が外国人児童生徒の就学状況を把握し、いかに就学を支援していくかについて議論した。岐阜県可児市などの先進事例が報告された。

外国人児童生徒の就学支援について議論する有識者会議

可児市で外国人児童生徒の就学状況の把握や、就学支援につなげるコーディネーターとして活躍した小島祥美・愛知淑徳大学准教授が、同市市民課と教育委員会が連携した、就学状況の把握から就学支援までの一連の取り組みを報告した。

同市では、市民課で外国人が住民登録の手続きをする際に、学齢期の子供がいる場合は全員に就学について説明し、教育委員会での就学手続きまでをサポート。市民課の転入者の情報と、教委が把握している外国人児童生徒の就学状況を照らし合わせ、不就学の可能性がある子供が見つかった場合は、個別訪問を徹底するなどの取り組みを進めた。

同准教授は「対象となる外国人には入国時に就学案内を渡し、自治体で就学手続きを促すことを徹底すべきだ。自治体の外国人児童生徒への教育対応は『担当者任せ』なのが実態だ。教育委員会がそれらをしっかり規定していく必要がある」と強調。

都道府県によって異なる公立高校での外国人生徒の配慮や入学枠の取り扱いについても、是正すべきだとした。

また、ペルーの日系4世として15歳で来日し、その後、日本の大学に進学したオシャンテ・村井・ロサ・メルセデス桃山学院教育大学講師は、多様化する外国人児童生徒の学習支援の在り方を報告。

「来日した当初は日本語がほとんどできない状況だったが、中学校でも高校でも、校長判断で入学が認められた。もしも認められていなければ、勉強は挫折していただろう。たまたまいい先生に恵まれたから、今の自分がいる」と振り返り、外国人児童生徒の学びを保障するためには、継続的な日本語学習と並行して教科学習を進める重要性を指摘した。

文科省は、今年初めて実施した外国人児童生徒の不就学に関する実態調査で、全国で不就学の外国人児童生徒が1万9654人いると推計。市町村教育委員会で外国人児童生徒の就学状況が十分に把握できていないことが浮き彫りとなっていた。


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