教員の長時間労働とブラック校則の共通点 学生がシンポ

教員の長時間労働とブラック校則の問題は根底でつながっている――。学校の働き方改革を考える学生団体「Teacher Aide」と、校則問題などを話し合う「SMISS」が主催するシンポジウム「『学校』という魔法~消される先生と生徒のSOS~」が10月27日、東京都世田谷区の日本大学で開かれた。現職の高校教員で給特法の問題について発信を続けている斉藤ひでみ氏(仮名)と、生徒会活動を通じて校則の改正を訴え続けてきた高校生が、「学校はなぜ変わらないのか」について意見交換した。

(右から)内田良名古屋大学准教授、広田照幸日本大学教授と別のシンポジウムに登壇した斉藤ひでみ氏

冒頭のあいさつで、SMISS代表の学生は「教員が朝から夜まで働き詰めで、子供と向き合う時間がない。こうした教員の労働問題は、ブラック校則をはじめとする子供の人権の問題と深く関わっている」と趣旨を説明した。

シンポジウムでは、関東地方の私立高校で生徒会活動に関わった2人の高校生が登壇。2人の高校では下着の色や髪型の指定、携帯電話の持ち込み禁止など、校則や学校の指導が厳しく、生徒会として校則改正を学校側に要望しても、まともに取り合われない状況があったという。

そこで、SMISSなどの外部団体に助言を求めながら、粘り強く学校側と交渉を重ね、これまで年に1回だけだった生徒会と教員の交渉の場を複数回開催することが決まり、校則改正に向けた素地(そじ)を作るところにまでこぎ着けた。

高校生の1人は「校則は本来、必要最低限でいいはずだ。先生はなぜ校則が存在するのかを教えてくれない。校則がなくなったときのリスクばかりを強調し、生徒の不満は高まるばかりだ」と訴えた。

自身も高校時代に生徒会の副会長を務めた経験もある斉藤氏は、岐阜県の県立高校では、市民団体からの働き掛けで厳しい頭髪規定やアルバイト禁止などの校則が一斉に廃止になったことを紹介。「学校は地域の目を過剰に気にしすぎている。生徒の行動は原則として自由であるべきで、校則でその自由を制限する以上、その代償にも想像力を働かせなければいけない」と話した。

シンポジウムの司会をしたTeacher Aide東京支部代表の学生は「これだけ社会が急速に変化している中で、校則も教員の働き方も変わらない。これこそが『学校という魔法』なのではないか。学校がそもそも何のためにあるのか、本質に立ち返った議論が必要だ」と指摘した。

シンポジウムには、教員の長時間労働や校則の問題に関心を寄せる教員と学生ら約60人が参加した。


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