【英語民間試験】「延期ありえない」 自民党有力者ら見通し

来年度から始まる大学入学共通テストの英語民間試験の活用に向けて、大学入試センターは11月1日から、受験に必要な共通IDの発行申し込みの受付を始める。受験生の不安は解消されていないとして延期を求める声が強まる中、複数の文科大臣経験者や自民党文部科学部会の有力者は10月31日、教育新聞の取材に「このタイミングで延期はありえない」と口をそろえ、予定通り来年度から英語民間試験の活用が実施されるとの見通しを示した。

臨時国会では、受験生の不安は解消されていないとして、野党は萩生田光一文科相の「身の丈」発言を追及し、実施延期を求めている。

10月30日に開かれた衆院文部科学委員会の質疑で、萩生田文科相は同月24日に出演したBSフジの報道番組で「裕福な家庭の子が回数を受けてウオーミングアップができるということはあるかもしれないが、そこは自分の身の丈に合わせて、2回(の民間試験の受検)をきちんと選んで勝負して頑張ってもらえれば」と発言したことを謝罪。

英語民間試験の実施に関する野党側からの追及に、「仮に今の状況より混乱が進むような事態が新たに確認できるようなことになれば、考えなくてはならないという気持ちもある」と答弁。延期に含みを持たせたとの観測が広まり、政府や与党に実施延期論が出ているとの一部報道も行われた。

こうした経緯を踏まえ、文科相の経験もある自民党議員は10月31日、教育新聞の取材に「懸念されている格差の問題については、十分な予算を確保する。ここにきての実施延期はありえない」と語気を強めた。

自民党文教族のある議員も同日、「政府内で延期論が出ているという話は全く聞いていない。もし延期を検討するのであれば、党の文部科学部会でも議論するはずだ」と述べ、延期の観測を否定した。

共通IDの発行手続きが始まる直前に降って湧いた延期論について、文科省の担当者は「そんな話は把握しておらず、驚いている。このタイミングでの延期は、勉強してきた受験生にとって、かえって混乱を招くだけではないか」と話した。


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