【英語民間試験】 萩生田文科相、「白紙撤回」に言及

来年度からの開始を予定されていた、大学入学共通テストでの英語民間試験の活用を巡り、萩生田光一文科相は11月1日、閣議後の記者会見で、経済的な状況や居住地域への配慮が不十分で「自信を持って受験生にお勧めできる状況ではない」として見送りを表明した。その上で、大学入試で英語4技能を評価する必要性は変わらないと説明、2024年に新たな英語試験を導入する考えを示した。文科相の下に検討会議を設置し、今後1年間をかけて、新たな英語試験の在り方について結論を出す。

英語民間試験の導入見送りを表明する萩生田光一文科相

新たな英語試験の在り方を巡り、萩生田文科相は、民間試験を大学入試に活用する是非について、「そのことも含めて抜本的に見直していきたい。(英語民間試験の)実施団体と大学センターの関係は契約行為であって委託事業ではないので、何か問題があったときに指示や命令を出すことができない。これも(見送りの)判断に至った要因の一つ」と説明。

大学入試改革の柱の一つだった英語民間試験の活用案は事実上、白紙撤回された形で、大学入試共通テストにおける英語4技能の評価方法はゼロベースから制度が再構築されることになった。

24年に新たな英語試験が導入されるまで、大学入試共通テストの英語は従来のセンター試験と同様、大学入試センターが作成する試験問題のみで実施する。大学入試センターは同日から始める予定だった、共通IDの発行申し込みの受付を中止した。

萩生田文科相は見送りを決めた理由について、「(英語民間試験を活用した)大学入試英語成績提供システムは、現時点において経済的な状況や居住している地域にかかわらず、等しく安心して試験を受けられるような配慮など、文部科学大臣として自信を持って受験生のみなさんにお勧めできるシステムにはなっていない。これ以上、決断の時期を遅らせることは、混乱を一層大きくしかねないため、来年度からの導入を見送ることを決断した」と説明。

影響を受ける受験生や保護者を念頭に「私の耳にはこれまでがんばって英語の勉強をしてきた高校生の声も届いている。ご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ない気持ち」と陳謝した。

英語民間試験の活用をめぐっては、全国高等学校長協会(全高長)が受験生や高校現場の不安は依然解消されていないとして、活用延期と制度の見直しを求める要望書を文科省に提出した一方、日本私立中学高等学校連合会(中高連)は延期反対を表明するなど、高校現場の困惑が拡大。

さらに、臨時国会では野党が政府に延期を迫る中、萩生田文科相が10月24日のBSフジ「プライムニュース」で「自分の身の丈に合わせて頑張って」と発言、批判を受けて撤回するなど、政争含みで混乱に拍車がかかっていた。