「依然として教員の環境は過酷」 過労死防止シンポジウム

厚労省は11月を「過労死等防止啓発月間」と定め、過労死ゼロを目指して対策を考えるシンポジウムを来月にかけて全都道府県で開催していく。11月6日には都内で開かれ、教員だった妻を過労死で失った男性ら遺族が「長時間労働をなくす社会風土をつくることが大切だ」と訴えた。

啓発ポスター

冒頭、加藤勝信厚労相は「過労死は残念ながら高止まりの現状だ。長時間労働を是正し、働きやすい社会の実現を目指していきたい」とあいさつ。

厚労省による現状説明や「過労死等防止対策推進全国センター」からの報告に続き、「過労死を考える家族の会」による体験談があった。

登壇した山口俊哉さんは、石川県野々市市立小学校の教諭だった妻の山口聡美さんが2016年1月、勤務先で会議中に突然倒れ、そのまま51歳の若さで死去したと説明。

聡美さんは亡くなるまでの27年間、教師一筋で、15年度は5クラスある1年生の主任を務めており、月に100時間近い時間外労働が常態化して、仕事を毎日のように持ち帰っていたと言う。

俊哉さん自身も石川県内の公立中学校で25年間、教員を務めた経験を踏まえ、「校長による無理な人員配置があった。学年の担任団に経験の浅い教諭や非常勤講師を置いた上、5人のうち2人が相次いで産休に入ったのに対策を採らず、妻の負担を増やしたことが過労死につながった」と指摘。

「依然として教員の職場環境は過酷な状況が続いており、同じようなことがまた起きるかもしれないと思うと心が痛い。長時間労働をなくし、生きることを楽しめる、そして過労死がゼロになる社会になってほしい」と訴えた。