「渋谷タブレットの日」 全員貸与の成果を全国に発信

東京都渋谷区教委は11月8日、タブレット端末の導入から活用・実践について、3年間の課題と成果などを発表する「渋谷タブレットの日」を開催した。同区は2017年9月から区立小中学校の全児童・生徒と全教員にタブレット端末を貸与しており、この日は全区立小中学校で公開授業を実施するなどした。

デジタル教科書やタブレットを活用した、渋谷区立鳩森小学校の授業

今年8月に日本教育工学協会から「学校情報化優良校」の認定を受けた区立鳩森小学校(鈴木優子校長、児童114人)では、5年生の理科で「流れる水の働き」の実践を公開。教員はデジタル教科書で河川や海の様子を示したり、児童は自分で撮影した動画や写真をタブレットで見ながら水の働きの予想を立てたりなど、使いこなして学びを深める様子が見られた。

午後は区立上原小中学校で区教委による説明やパネルディスカッションがあり、冒頭であいさつした豊岡弘敏教育長は「渋谷タブレットの日」の狙いを「タブレット活用のさらなるムーブメントを起こすため」と説明した。

パネルディスカッションには、同区でICTアドバイザーを務める東京学芸大学の高橋純准教授や明治大学の岸磨貴子専任准教授、区立西原小学校の手代木英明校長らが登壇。

「1人1台タブレット」の成果を語り合ったパネルディスカッション

手代木校長は「1人1台タブレット」について、「導入当初、教員は困惑していた」と振り返り、「まずは『できることが増え、あきらめていたことが可能になる』と考えるよう呼び掛け、使えるところから始めるという姿勢でスタートした」と説明。

低学年は写真撮影、高学年は検索、教員はデジタル教科書を通じ、徐々にタブレット活用の推進につながったといい、「得意な教員は当初から大学と連携し、大学が開発したアプリを活用するなどしていた。苦手な教員も、3年目から使いこなせるようになった」と語った。

高橋准教授は「始めから成果を出すことにこだわらない、余裕のある取り入れ方が良かった」と述べ、「教員一人一人が授業研究し、活用方法を模索していることが、子供に伝わっているのを感じた」と説明。

明治大学の岸准教授は、「タブレットの導入では、『何をさせるか』の『doing』に目が行きがちになるが、3年目を迎えた渋谷区では、『どのような資質を伸ばすか』という『being』に着目できている」と評価した。