国研が創立70周年記念シンポ 地方教育行政の課題を講演

国立教育政策研究所は11月8日、同研究所の創立70周年を記念するシンポジウムを文科省で開き、同研究所評議員会長の小川正人放送大学教授が地方教育行政の課題をテーマに講演した。

創立70周年を受け、あいさつする中川所長

小川教授は、地方教育行政の在り方が今後の重要課題になるとし、都道府県教育委員会と市町村教育委員会の関係性を再考する時期に来ていると強調。

県費負担教職員制度を例に、教育事務所の統廃合が全国的な傾向として進んでいる現状を報告し、都道府県と市町村の教育行政の調整機能を担ってきた教育事務所が縮小されることによって、それまで広域で行われてきた教員の人事異動が同じ市町村内で行われるようになるなど、市町村の意向が強く反映されるようになっていると指摘した。

小川教授は「地方分権改革の流れから、市町村への人事権の委譲が進んでいるとの見方もあるが、人口減少による市町村格差や人口偏在を踏まえると、都道府県が教員の人事で適切な補完や支援が難しくなれば、小規模市町村などで必要な教員を確保できないなどの問題が生じる。新しい仕組みを検討する必要性がある」と述べた。

シンポジウムには、教育関係者ら約200人が参加。

あいさつで、中川健朗所長は「本研究所は今後とも、幅広い視野と柔軟な姿勢で時代に即した調査研究や事業を実施して教育改革に貢献し、わが国唯一の教育政策の国立研究所としての使命を全うしていきたい」と述べた。

同研究所は1949年に国立教育研究所として創設され、2001年の省庁再編に伴い、教育に関する政策の企画立案や推進に関する研究を行う機関として再編。名称も現在のものに改めた。


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