学校現場のLGBTを考える 当事者教諭らがイベント

学校現場での性の多様性について考えるイベント「LGBTQ~全ての子どもがありのままの自分でいられる社会を目指して~」が11月8日、都内で開催され、教育関係者や当事者ら約80人がワークショップや映画鑑賞などを通して考えを深めた。LGBT当事者であり非常勤講師の鈴木茂義氏がファシリテーターを勤め、性同一障害をカミングアウトして教壇に立つ浦田幸奈教諭らがゲストとして登壇。マイノリティーを巡る学校現場の実情や自身の思いを語った。

参加者と意見を交わす鈴木氏(左)

浦田教諭は「もう男性として生活するのは限界、自分の思うように生きたいと感じ、生徒たちにカミングアウトした。子供たちからは『先生が男でも女でも、明日から教えてくれることはこれまでと変わらないでしょう』と言われた」とカミングアウトした経緯を述べた。

現在の学校生活については、「今日のような女性の格好で、『幸奈』という名前で教壇に立っている。しかし多目的トイレや男子更衣室を使うように言われるなど、複雑に感じる場面もある」と打ち明け、「性だけでなく、発達障害や外国籍など社会は多様化が進んでいる。私のような教師がいることを子供たちが知ることで、『こんな大人もいるのだ』と勇気を与えられる存在になりたい」と語った。

参加者からは「性の多様性について、子供は柔軟なのですんなりと受け入れられるが、教師や親が心のどこかで持っている偏見が子供に伝わっているのではないかと感じる」「このような場に集まらない、関心が低い人にどのように伝えていけるかが、何よりの課題だと思う」との意見が出された。

イベントでは他にも、トランスジェンダーの中学生が主人公のオーストラリア映画『First Day』を上映。同作は、中学校への進学を機に体の性別である男子ではなく、女子として学校生活を送ることを決めた、ハナーの心の葛藤や成長を描いている。

上映後、参加者らはゲストを交え映画の感想を語り合い、子供たちがありのまま生きられることを阻害している要因や解決策について、グループワークを行った。