「いじめ防止法の通りに」 『こども六法』の山崎氏提言

いじめ問題に取り組むNPO法人ジェントルハートプロジェクトは11月13日、現場のSOSに応える「いじめ防止対策推進法」の法改正実現を訴える院内集会を、参議院議員会館で開いた。いじめ問題研究者で、『こども六法』の著者である山崎聡一郎氏が登壇した。

「教員の負担が減り、いじめが軽くなる」と語る山崎聡一郎氏

いじめ問題を研究する慶應義塾大学SFC研究所の山崎聡一郎氏は「教員の多忙化に拍車をかける、現場の萎縮を招くと思われているが、この法律はいじめが起きたときに教員のやるべきことを明確化し、教員が一人で抱え込むような状況を予防している」と、同法に対する誤解を指摘。法律通りに対応して効果をあげた例として、自身も講演で訪れたという香川県善通寺市立東中学校の事例を紹介した。

同校では校長による訓告や、教育委員会と連携しての出席停止を含め、法令に則した対応を実施したところ、状況は大きく改善。いじめなどの問題が発生した時には、生徒からSOSの声が上がるようになった。それに伴い、教員の負担は軽減され、生徒の成績も向上したという。

山崎氏は「まず教員に、いじめ防止法の通りにやってもらうことを普及していく必要がある。同法によって教員がやるべき最低限のことが決まっている。この法律通りにやると教員の負担が減る、いじめが軽くなるということを、周知していくのが必要ではないか」と提言した。

集会では他にも、ジェントルハートプロジェクトの小森美登里理事が「いじめ発見のきっかけ」の全国平均(文科省・2018年度児童生徒の問題行動に関する調査結果)と、滋賀県の比較について紹介。

全国平均が「学校の教職員等が発見」(66.2%)、「本人からの訴え」(18.3%)、「当該児童生徒(本人)の保護者からの訴え」(10.4%)なのに対して、滋賀県では「学校の教職員等が発見」(26%)が低く、「本人からの訴え」(34%)と「当該児童生徒(本人)の保護者からの訴え」(26%)の割合が高いと指摘。

「これは教職員に対して、いじめなどの情報を子供たちや保護者が申告しやすい雰囲気がつくられているということ。どの学校にも、こうした環境をつくるのが重要だ」と述べた。