子供にやさしいまちづくりを自治体が報告 日本ユニセフ

子供にやさしいまちづくりを推進している日本ユニセフ協会の「日本型子どもにやさしいまちモデル検証作業」のフォーラムが11月14日、東京都港区のユニセフハウスで開かれ、検証作業に参加している自治体の担当者が取り組み状況を報告した。1996年から始まったユニセフ(国連児童基金)の「子どもにやさしいまちづくり事業」は、市町村の施策に子供の意見を採り入れるなど、子どもの権利条約の具現化を目指す運動で、世界約40カ国の約3000自治体が取り組んでいる。日本では、2018年から日本ユニセフ協会が日本型のモデル検証作業を開始し、5市町が参加している。

子供にやさしいまちづくり事業について講演するユニセフのアンドレア氏

講演に登壇したユニセフEAPROリージョナル・アドバイザーのアンドレア・ロッシ氏は、世界各国の自治体が実践している「子どもにやさしいまちづくり事業」の事例を紹介。同氏は「子供にとって良いまちは、子供だけではなく、あらゆる人にフィットしたまちだ。そうしたまちづくりを進めるためには、子供が参画して一緒に解決策を探ることが重要になる。事業への日本の参加をとてもうれしく思う」と強調した。

続いてモデル検証作業に参加している▽北海道ニセコ町▽同安平(あびら)町▽宮城県富谷市▽東京都町田市▽奈良市――の5市町の担当者が、現時点での取り組みや成果を報告した。

5市町の担当者によるパネルディスカッション

北海道胆振東部地震で甚大な被害に遭った安平町では、被災で校舎の移転・建て替えを余儀なくされた中学校の再建プロジェクト会議に子供も参加しながら、地域のシンボルとしての学校建設を進めている。また、地震の影響で公園などの遊び場が閉鎖される中、同町は身近な自然環境を生かした「遊育推進事業」に取り組んだ。同町教委の永桶憲義教育次長は「学校や公園が閉鎖される中で、遊びそのものを提供したことで、心のケアにも効果があった。今後も遊びを通じた震災からの復興に取り組んでいきたい」と述べた。

「子どもにやさしいまちづくり条例」を制定した奈良市では、行政と地域住民、保護者、学校や保育所などが役割分担し、子育て支援や子供の居場所作りなどを進めている。これらの施策に子供の意見を反映させるため、毎年夏休み中に「子ども会議」を開催。市内に住む10~17歳の子供を公募し、子供が話し合いによって提案内容をまとめ、市長に提出している。同市子ども未来部子ども政策課の玉置卓課長は「子供たちがまちづくりに主体的に参加できるように、提案実現のために自分たちで何ができるのかも考えてもらうようにしたり、テーマの検討段階から関係部署を巻き込んで単なるセレモニーで終わらないようにしたりしている」と話した。

フォーラムには、教育関係者ら約100人が参加した。


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