【共通テスト】記述式問題「中止を」 高校生が再現実験

2021年に始まる大学入学共通テストで新たに導入される国語の記述式問題について、首都圏の高校生グループが11月13日、文科省内で記者会見を開き、受験生による自己採点の再現実験の結果を公表した。中高生や教員、予備校教師ら1400人あまりがインターネット上の呼びかけに応じて採点したところ、同じ解答に対して採点者ごとに判断のばらつきが大きいとの結果が出た。高校生グループは「いまのシステムでは、50万人規模の共通テストで、公平な判定や自己採点ができない」として、記述式問題の導入中止を求めた。

自己採点の再現実験の結果を説明する高校グループ

再現実験を行ったのは、首都圏の進学校に在籍する高校2年生。現在の大学入学センター試験が共通テストに切り替わる2021年春に大学受験を迎え、「共通テスト1期生」の受験生となる。彼らにとって自己採点は2次試験で出願する大学を最終的に決める重要な判断材料。このため、記述式問題の自己採点を適切に行うには、採点のばらつきがどの程度あるのか、客観的なデータが必要だと考え、インターネット上のアンケートによる再現実験を試みた。

実験には今年4月に大学入学センターが公表した試行調査の出題を利用。センターが示した正答の条件や解答例を示した上で、生徒A、B、Cの答案を採点するよう、11月9~11日の3日間、インターネット上で呼びかけた。

これに対し、高校生815人、中学生20人、大人610人の1445人が採点を寄せた。大人のうち86人は、現役の教師や予備校教師など採点のプロフェッショナルだった。

結果は、程度の差こそあれ、どの答案にも採点のばらつきがみられた。中高生と教師らプロフェッショナルに分けて分析したところ、生徒Aの答案では、中高生と教師らは共に約2割が満点正解のaと判断した一方、約7割が部分正解のbと判断した。生徒Bの答案では中高生と教師らの判断が大きく分かれた=表参照。

高校生グループの代表は「これらのデータは、採点者の技量に関わらず、採点の判断にばらつきが出ることを示している。つまり、適切な自己採点は誰であっても難しいということだ。この状況で志望校を判断するのは、非常に不安。記述式問題はそれぞれの大学が2次試験で課してもいいはずで、50万人規模で実施される共通テストに記述式を導入するのはシステム的に無理があると思う」と述べ、記述式問題の導入中止を訴えた。

また、別の生徒は「記述式問題が入試に導入されると聞いて、最初はうれしかった。暗記ばかりの受験勉強で学力を判定されなくて済むと思ったからだ。でも、実際に、自己採点の再現実験をやってみると、自分の学力がきちんと判定されるのか非常に疑問を感じた。大学入試改革は必要だろうし、誰かが改革の1期生にならなければならないとわかっているが、十分に準備してから実施してほしい」と、制度の見直しを求めた。

※教育新聞では、高校生グループの希望や未成年であることに配慮し、記者会見した人物は匿名で報道します。


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