eポートフォリオの有効活用 パネリストら討論

「eポートフォリオは高大接続改革にどう貢献できるか」と題したパネルディスカッションが11月14日、都内で開かれた。「eラーニングアワード2019フォーラム」の一環。進行役を東京学芸大学ICTセンターの森本康彦教授が務め、ドルトン東京学園中等部・高等部の田邊則彦副校長、関西学院大学学長室の尾木義久アドミッションオフィサー、濱名学院合併推進室の得永義則室長がパネリストとして登壇した。

eポートフォリオについて討論するパネリストら

森本教授は「高大接続では『高校教育・大学教育・大学入試』の改革を三位一体で進めることが求められている」と述べ、「実現にはeポートフォリオが注目される一方、学校現場ではいつ、どのようにして何を蓄積し、どうやって学びと評価に生かすべきかが浸透しておらず、十分に有効活用されているとは言えない状況だ」と説明。

田邊副校長は、小学校教諭として情報教育の黎明(れいめい)期からコンピューターの教育利用に関わっていたといい、初等中等教育でのeポートフォリオの重要性を強調した。

会場の高校教員から「ポートフォリオが浸透しない」と悩みが寄せられると、「高校現場では、学期の終わりに約3カ月分を振り返らせて提出させているのではないか」と指摘。「生徒は『書かされている』という意識になってしまう。何かある度に、日常的に、当たり前に記録させることが重要で、習慣化させる必要がある」と語った。

また、「eポートフォリオで小学校からのデータが蓄積されると、自分にとって思い出したくない失敗なども残されるというプレッシャーになるのでは」と別の質問が上がると、田邊副校長は「eポートフォリオは自分の見せたいところを並べる、いわばショーケースのようなもの。強調したいデータを前に出すなどの工夫ができる」と回答した。

尾木氏は「調査書で見えるのは成果だけ。大学としては、プロセスや失敗、葛藤、そこからどう立ち上がったかも見たい」と説明。

得永室長は「いずれは就職活動でも、小学校からのeポートフォリオが活用できるようになる。eポートフォリオでビッグデータを蓄積できれば、小学校から大学まで一貫して一人の人間を育て上げることが可能になり、日本の教育が根本から変わる」と語った。