1年単位の変形労働時間制の導入などを盛り込んだ、給特法改正案について審議していた衆院文部科学委員会は11月15日、同法改正案を賛成多数で可決した。採決にあたって、学校の働き方改革を一層進め、変形労働時間制を導入する場合は、あらかじめ教員側に説明することなどを求める附帯決議を付けた。今後、衆院本会議で可決された後、参院に送られる見通し。
改正案は、自治体が条例で1年単位の変形労働時間制を導入できるようにすることで、夏休み期間中などの休日のまとめ取りを可能にすることを定めた。また、公立学校教員の超過勤務時間の上限を1カ月45時間、年360時間以内と定めた文科省の「上限ガイドライン」を、文科大臣が策定する「指針」に格上げし、教員の長時間労働の是正に向けた取り組みを法的に位置付けるのが狙い。
附帯決議では、国や教育委員会に対し、学校の働き方改革を推進するとともに、ICTによる在校等時間の客観的な把握を行い、公務災害の認定に重要な資料となることから、それらの記録の管理・保存を行うよう求めた。
また、1年単位の変形労働時間制を導入する際は、変形労働が適用される日数や労働時間について、事前に教員に明示することなどを求めた。
さらに、教員採用試験の倍率低下や、教員不足の問題を解消するための対策、部活動の地域への早期移行実現なども要請した。
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