高校生が小学生に指導 小高大連携でプログラミング授業

小学生が高校生からプログラミングを教わりながら、AIやロボットの可能性について体験的に学ぶ授業が11月18日、埼玉県立浦和北高校(小池真也校長、生徒959人)で行われた。児童らは大学の教員や高校生の説明を聞きながら、レスキューロボットをプログラミングし、いかに速く、近くまで移動させるかを競い合った。

高校生から助言を受けプログラミングする小学生

授業は、近隣のさいたま市立大久保小学校(金子要一校長、児童数231人)の5年生を浦和北高校に招いて行われた。野村泰朗埼玉大学准教授による、社会で実用化されているロボット技術に関する児童らへの講義の後、学校選択科目「実用基礎プログラミング」を履修している浦和北高校3年生が教師役となって、レゴマインドストームによるライントレースロボットのプログラミングを指導した。同高校では、大久保小学校と埼玉大学とのこうした連携事業を毎年実施し、今年で10回目を数える。

講義で野村准教授は「ロボットがこれだけ身近に普及しているという意味で、日本は世界の最先端だ。ロボットやAIがどのように生活に役立ち、人間がどう振る舞っていけばいいのかを考える必要がある。ロボットやAIが当たり前となった未来を考えるためにも、プログラミングを学ぶ必要がある」と強調。

自律型ロボットには▽センサー▽コントローラー▽アクチュエーター――の3つの要素が必要だと解説した。

その後、グループに分かれた児童らは、高校生の助言を聞きながら、黒いテープでつくったコース上をセンサーで読み取りながらジグザグに進み、障害物の手前で停止するライントレースロボットに挑戦した。各グループはロボットのモーターの速度やパワーを調整し、コースをいかに速く、障害物のより手前で停止できるかを試行錯誤。最後には2回の計測を実施し、レスキューロボットにはどんな条件が求められるかを考えた。

授業に参加した児童は「小学校でプログラミングは体験していたけれど、ロボットを制御したのは初めてで、とても楽しかった。高校生も優しくいろんなことを教えてくれた」と感想を述べた。

引率した5年1組担任の小沼威博教諭は「小学校ではScratchなどを使ったプログラミングを実践しており、プログラミング的思考にいかに触れさせるかが重要だと考えている。地域の高校や大学でこうした交流の機会があるのはありがたい」と話す。

教える側に立った浦和北高校3年生の森居統磨さんは「人前で話すのが苦手だったので、事前に練習して、ゆっくりと話したり、テンションを高くしたりして伝えることを意識した。実際に始まってみると、小学生の柔軟な発想に驚かされ、教えたというよりも一緒に学んだというような感覚だ」と振り返った。

プログラミングを学ぶ意義について説明する野村准教授

授業を担当した岡村起代之教諭は「小学生も高校生もプログラミングに対するモチベーションが年々高まっており、敷居も低くなっていると感じる。私たち教師が、プログラミングで何を教えるかが問われている。来年度はぜひ、中学校も連携の輪に加わってほしい」と意気込んだ。

野村准教授は「プログラミングを体験して『楽しかった』で終わってしまうのではなく、プログラミングを学ぶ意義までを捉えた授業が求められている。ここ数年でプログラミング教育への関心も高まっているが、体験的、実践的な学びを通じて、小学生段階でどこまで深めていけるかが鍵になる」と語った。


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