若者のネット被害考える スマイリーキクチ氏が講演

若者らのネット被害について考えるシンポジウムが11月18日、都内で開催され、自身もネット上の中傷被害に苦しんだお笑い芸人のスマイリーキクチさんが講演した。教育関係者ら約100人が参加し、デマや中傷などネットの悪質な書き込みの対処策と防止法について考えを深めた。主催は、ネット社会の健全な発展に向けた連絡協議会。

「情報モラルの育成が必要」と語るスマイリーキクチさん

キクチさんによると、1999年ごろから「殺人事件の加害者」というデマがネット上で書き込まれるようになり、瞬く間に拡散した。「死ね」「人殺し」などといった誹謗(ひぼう)中傷だけでなく、書き込みのせいで抗議が殺到し、決まっていた仕事がなくなったり、自身や家族に殺害予告があったりなど、日常生活にも多大な被害が及んだ。

悪質な書き込みをしていた20人ほどが摘発された現在も、殺害予告や誹謗中傷は続いているという。

講演でキクチさんは当時を振り返り、「被害を訴えたときに、警察も掲示板の運営会社も全く相手にしてくれなかったことが、本当に怖かった。『ネットを見なければいい』『ネットを見過ぎてノイローゼになっているのではないか』などと言葉を掛けられた」と悔しさをにじませた。

また、「特定できた加害者の多くがデマを信じ込んでいて、正義感から書き込みをしていた。ネット上のデマを見極めることも大切だが、デマをデマだと認めることも大切。ネットの情報に洗脳される怖さを改めて感じた」と説明。

ネットモラルを普及するための団体を立ち上げ、中高生向けのテキストを作成していると明かし、若者世代への啓発の大切さを強調した。

テキストの狙いについては、「加害者を減らすための、情報モラルの育成が必要。ネットやSNSへの書き込みは言論の自由があるとともに、責任が伴うことを若い世代から理解し、明るいネット社会に導いていかなければいけない」と語った。


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