セサミストリートで非認知能力 パイロット校で公開授業

米国の教育番組「セサミストリート」のキャラクターのやり取りを通じて、子供の非認知能力を伸ばす「セサミストリートカリキュラム」を用いた公開授業が11月19日、埼玉県戸田市立新曽小学校(山下理恵子校長、児童数630人)で開かれた。同校では、2017年からセサミストリートカリキュラムのパイロット校として、授業実践を蓄積してきた。この日の公開授業では、4年生が「1年生の給食の準備」をテーマに、目標に基づいて問題の解決策を考える授業を展開した。

セサミストリートカリキュラムで、目標に基づく解決策の授業をする青木教諭

セサミストリートカリキュラムは、キャリア、価値の理解、インクルージョンの実現という、3つの視点で構成された小学校向けのプログラムで、学年ごとに12時間の学習指導案やワークシートなどが付く。カリキュラムを通じて、他者との協働や多様性理解、主体的に判断する力、新たな価値の創造などを育成する。米国をはじめ9カ国に広まっており、日本では戸田市での成果を踏まえ、今年4月から全国展開している。

公開授業では、4年生のクラスで「総合的な学習の時間」として、セサミストリートカリキュラムの「解決策の評価」のプログラムを実施。授業者の青木俊介教諭は、授業冒頭、ベビーベッドを揺らし続けなければならないセサミストリートのキャラクターが疲れてしまっている場面を児童に提示。何が問題なのかと、その解決に向けた目標を考えさせた。

次に、同教諭は1年生の給食準備の場面を示した上で、1年生の準備がうまくいかない問題を洗い出して目標を設定。児童はワークシートで個人の解決策を考えた後、グループになり、目標により最適な解決策を提案した。児童らが考えた解決策には「準備時間を長くする」「ロボットにやってもらう」「1年生用のふた付きの容器を作る」など、ユニークなアイデアが出た。

青木教諭は「今日の内容は、例えば、長いスパンでアウトプットやフィードバックを行う『総合』の中で、子供たちがいつの間にか大きな目標を忘れて学習を進めてしまっているときに『セサミストリートカリキュラムでやったよね』と目標に立ち返らせることができる。セサミストリートカリキュラムは授業で意見を伝え合い、対話する土台づくりになっている」と成果を話した。

戸田市の戸ヶ崎勤教育長は「新曽小の成果を通じて、特別支援教育やカリキュラム・マネジメントの推進などで、セサミストリートカリキュラムの持つ可能性が見えてきた。特に、子供の間で他者を認め合う雰囲気が生まれ、学級経営が充実すると感じている。全市で取り組みを広めていきたい」と意気込んだ。


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