【共通テスト】参院文教科学委で参考人質疑 記述式巡り

高大接続改革を巡り、参院の文教科学委員会は11月19日、大学入学共通テストの国語などで出題される記述式問題に関して参考人質疑を行い、大学教員や高校関係者から問題点をヒアリングした。高校関係者からは、受験生の不安解消を求める声が上がる一方、大学教員からは、共通テストで記述式問題を出題する際の作問や採点の技術的困難さが指摘された。

全国高等学校長協会(全高長)会長の萩原聡・東京都立西高校長、日本私立中学高等学校連合会会長の吉田晋・富士見丘中学高校長、木村小夜・福井県立大学教授、紅野謙介・日本大学教授の4氏が参考人として意見を述べた。

萩原会長は、全高長として記述式問題の実施について意見の集約は行っていないとした上で、全高長が全国の校長を対象に抽出で実施したアンケートでは、共通テストで記述式問題を出題することへの肯定的な評価は低下傾向にあるとし、民間事業者による採点や機密保持などで不安が大きくなっていると説明。

「公平公正な高校入試を経験している高校生や教職員にとっては、採点者の人選や採点の開示時期などがもたらす、現在の大学入学共通テストの課題は受け入れにくい。全高長としては、公正公平な入試を実施し、生徒が安心し信頼して受験できる制度を作っていただきたい」と訴えた。

吉田会長は高大接続改革の議論を振り返った上で、延期となった英語民間試験の活用と異なり、記述式が問題となったことはないとの認識を強調。

「私からすれば、今回、急に(採点者の)アルバイトやその他のことを言い出したのは不思議に思っている。今の高校2年生は(記述式が出題される)つもりで勉強している。子供たちの気持ちをしっかり受け止めてほしい」と述べた。

日本近代文学を専門とし、大学入試センター試験の国語の問題作成に関わったこともある木村教授は、共通テストのプレテストで出題された国語の記述式問題を踏まえ、記述式問題は多少の改善では解決しない致命的な問題があると批判。

「こうした問題では、メインとなる文章読解は二の次で、受験生はもっぱら条件付きの問いに当てはめて書くという勉強を反復するようになる。逆に言えば、条件を与えられねば書けなくなるということだ。これは記述導入の本来の目的や大学が求める学力とは真逆のものであり、主体的な思考を停止させ、出題意図を忖度(そんたく)するばかりになる」と警鐘を鳴らした。

「入試改革を考える会」のメンバーである紅野教授は、採点を民間事業者に業務委託したことで、採点者と問題作成者が分業化され、問題作成者が想定していない解答についての取り扱いが困難になると懸念。

「(個別の大学入試で出題される記述式問題では)必ず想定を超えた解答が出てくる。これを正解にすべきか、減点するならどうするかで議論になる。意見の異なる委員が議論を重ねて評価を決めるから、納得のいく評価になる。記述式問題が問題作成者と受験生の対話と言えるのは、こうした手順を踏むからだ」と指摘した。


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