「変形労働は導入できない」 日教組が働き方調査を公表

日本教職員組合(日教組)は11月21日、今年の「学校現場の働き方改革に関する意識調査」の結果を公表した。出勤・退勤時刻について、管理職による目視や自己申告など、客観的でない把握方法が学校で行われていると答えた教職員が45.9%に上った。

出退勤時刻の把握方法

文科省で記者会見した清水秀行書記長は、国会で審議が進んでいる給特法改正案をにらみ、「タイムカードやICTによる、客観的な時間把握ができる環境を全学校に整えることが、給特法改正案で法的に位置付けられることになる、上限ガイドラインの実効性を担保するために必要だ」と述べる一方、変形労働時間制については「導入できる状態にない」と懸念を示した。

同調査によると、平日の学校内の勤務時間平均は10時間53分で、2018年に実施した前回調査と比べ8分減少した。一方、自宅での仕事時間は49分で変わらず、64.8%の教職員が自宅に仕事を持ち帰っていることが分かった。

複数回答で、教職員自身が勤務時間を減らすために行ったことをみると、「退勤時間を早めた」が31.6%で最も多く、次いで「退勤時間を早め仕事を持ち帰った」が20.3%だった。

今回初めて実施した勤務時間の把握方法をみると▽タイムカード 19.1%▽IDカードなど 8.8%▽パソコンのログイン・ログアウト 14.8%▽管理職による目視 16.2%▽自己申告 29.7%▽その他 10.9%▽無回答 0.5%――で、ICTなどによる客観的な把握をしていない割合が半数を占めた。

記者会見で清水書記長は変形労働時間制の導入について、「教員は夏休みの部活動やプールの指導、進路の業務や研修などがあり、閑散期になっていない。学校現場は変形労働時間制を導入できる状態になっていない。少なくとも、変形労働時間制の導入の目的が休日のまとめ取りであることや、上限ガイドラインの順守などの具体的な手続きを省令で明記すべきだ」と指摘した。

さらに将来的な給特法の見直しについては、「給特法では、限定4項目以外は勤務時間外の業務命令はできないとされているにもかかわらず、上限ガイドラインでは在校等時間として実質的な勤務時間の上限を定めており、矛盾している。なぜ公立学校の教員にだけ給特法が適用されるのか。業務の削減をした上で、労働基準法に従うようにすべきではないか。現状、給特法は破綻している。抜本的な見直しを議論すべきだ」と述べた。

同調査は、今年7月17日~9月1日にかけて、インターネットで実施。小学校、中学校、高校、特別支援学校などの教職員9080人が回答した。


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