国家プロジェクトで学校のICT環境整備 中教審特別部会

個別最適化された学びの実現や小学校高学年での教科担任制の導入など、これからの初等中等教育の在り方を検討している中教審初等中等教育分科会の特別部会は11月21日、第5回会合を開き、ここまでの議論の、論点整理の素案を取りまとめた。

学校のICT環境整備の方針について議論する特別部会

政府の経済財政諮問会議で、児童生徒1人につき1台の学習者用コンピューターを学校に整備する方針が打ち出されたのを受け、この日の会合では国家プロジェクトとしての、ICTや先端技術の効果的な活用の方向性について議論した。また、1人1台環境の下で、デジタル教科書の普及や遠隔授業の実施などを見据えた学校のICT環境整備の工程表が示された。

素案では、ICTや先端技術の効果的な活用を進め、個別最適化された学びを実現するために、遅れている学校のICT環境整備について、ソフト面とハード面を一体的に進めることとし、国家プロジェクトとして、学習者用コンピューターの1人1台環境を実現する方針を示した。

特にソフト面では、遠隔授業やオンライン教育の活用、デジタル教科書、AIを活用したデジタル教材、学習ログの活用について、整備や活用促進に向けた取り組みを進めることを盛り込んだ。

その上で、全ての授業で1人1台の学習者用コンピューターを使い、デジタル教科書や学習ログを活用することを目標にした工程表も提示。学校のICT環境整備に向けた施策と並行し、遠隔授業やオンライン教育、デジタル教科書、統合型校務支援システム、学習ログの活用を促進するとともに、それらに対応した教員研修や専門人材の確保、外部人材の参画促進などを進めていくイメージが示された。

学校ICT環境整備の実現に向けた工程表

委員からは「新しい教育を進めるためには、校長のリーダーシップが欠かせない。校長の在職期間が短い状況について、見直すのを提案すべきだ」「1人1台環境でのデジタル教科書の活用を目指して、どの時点で具体的に利用できるようになるのかを工程表に明示すべきだ」「学校だけでなく、IDやアドレスが個人に与えられ、家庭などでの学習にも活用できる視点も必要だ」などの意見が出た。

論点整理の素案は12月に開催予定の、初等中等教育分科会に報告される予定。特別部会では、年明けから不登校児童生徒やいじめの重大事態、虐待事案への対応、学校の小規模化を踏まえた自治体間連携や小学校と中学校の連携、特定分野に特異な才能を持った児童生徒の指導や支援の在り方などのテーマを扱う方針。


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