学校建築の世界的潮流 OECD研究者らが国際シンポ

学習環境の効果に関するOECD(経済協力開発機構)の研究グループが日本で年次会合を開いているのに合わせ、会合の会場となっている東京工業大学は11月20日、未来へ向けた教育を支える効果的な学習環境の在り方をテーマに、学校建築国際シンポジウムを開いた。研究グループのメンバーらが、各国の事例を報告。21世紀スキルの習得に向け、教室環境の教員中心から学習者中心への転換が叫ばれた。

学習者中心の学校建築について講演するOECDコンサルタントのアラスター・ブリス氏

講演で、OECDシニア政策アナリストのジョアンナ・キャディー氏は「OECDや加盟国は、教育について3つの問題を抱えている。1つは社会的な需要。もう1つは、その需要に応えるためのスキル。そして3つ目が、どのような学習環境であれば、そうした能力を培うことができるかだ」と述べた。

同氏は、OECDが生徒の学習到達度調査(PISA)で、協働による問題解決を測定している狙いに触れながら、21世紀スキルを子供たちが習得するためのポイントとして、学習環境デザインの重要性を挙げた。

また、OECDコンサルタントのアラスター・ブリス氏は、英国の都市郊外にある社会的に不利な立場にある生徒が多く通う学校で取り組まれた、学習空間の改善プロジェクトの成果を報告。

同校では、従来の箱形の教室をフレキシブルな空間に変え、さまざまな学習グループやICT活用に対応できるようにした。

同氏は「スペースを自分たちで決めた多様な方法で使えるようになると、生徒だけでなく、教員にも良い影響が出た。生徒の出席率も改善し、成績も上がってきた。当初は新しいアプローチに疑念を抱いていた両親の評価も変わってきた」と述べ、世界各国の学習環境の改善事例を収集し、活用する必要性を指摘した。

同シンポジウムには、教育関係者ら約100人が参加した。


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