大学入試で「歴史総合」から出題 日本学術会議が提言

高校新学習指導要領の地理歴史科目の再編を踏まえ、日本学術会議の「史学委員会中高大歴史教育に関する分科会」は11月22日、大学入試の歴史の科目として、日本史の科目は「日本史探究」、世界史の科目は「世界史探究」に加え、必履修の「歴史総合」の内容からも出題することを提言した報告書を公表した。日本史と世界史を融合した内容や、歴史の学び方に関わる問題を出題し、思考力重視の歴史教育に転換を図る狙いがある。報告書では、マークシートで思考力を問う問題例も示した。

記者会見で報告書について説明する日本学術会議の分科会メンバー

新学習指導要領では、高校の歴史科目は近現代の世界史と日本史を総合した「歴史総合」を必履修科目とし、選択科目として「日本史探究」と「世界史探究」を設けた。

同分科会では、新学習指導要領が目指す方向性を実現するためには、大学入試科目の改善が重要になるとし、新学習指導要領に基づく歴史の入試科目は「歴史総合・日本史探究」「歴史総合・世界史探究」とし、必履修科目の「歴史総合」の内容を出題することを求めた。

また、出題に当たっては、グラフや図像などの資料を読み解きながら思考力・判断力・表現力をみる問題を採り入れ、複数の問いを関連付けたり、正解が複数ある問題を配置したりすべきだと提言した。

報告書では、これらの提言内容を踏まえ、マークシートで思考力・判断力・表現力を問う試験問題例も提示。

マークシート式を想定したことについて、分科会メンバーの鈴木茂・名古屋外国語大学教授は「記述式だからといって思考力を問えるとは限らない。マークシート式でも、設問を工夫することで歴史的思考力を問うことは可能だ。センター試験のように選択肢を読めば解けてしまう形式ではなく、大学入学共通テストのプレテストで出題された問題のように、問題文や資料に全て目を通さなければ解けないような問題が望ましい」と説明した。


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