【萩生田文科相】国主導でICT整備「在任中に1人1台」

教育新聞のインタビューに応じた萩生田光一文科相は11月26日までに、学校現場のICT環境整備について、「私が文科相在任中に1人1台の端末、きちんと画像が動くような高速ネットインフラを整備したい」と述べ、整備促進の必要性を強調した。また、地方自治体が予算の使途を判断する地方財政措置では、ICT環境整備が十分に進まない場合もあるとの認識を示し、「国費である程度カバーをしながら、計画的に整備をしていきたい」と述べ、国が主導して全国の学校にICT環境を整備する仕組みの構築に意欲を示した。

学校のICT環境整備に強い意欲を語る萩生田文科相

萩生田文科相は「もはや端末とかインフラ整備はぜいたくなものとは言えないのではないか。平成の時代には『あったらいいな』というツールだったが、令和の時代は『なくてはならない教育機材』になっている」と述べ、学校におけるICT環境整備の重要性を指摘した。

また、麻生内閣(2008-09年)で文科政務官を務めた際、スクールニューディール政策を掲げ、パソコンや校内LAN、電子黒板などの整備に取り組んだところ、地方財政措置として一般会計を経由して自治体に予算を交付したことなどもあって、必ずしも十分な成果が得られなかったケースもあった――との経験を紹介。

「あれから10年たったのに、いまでもパソコンや端末の普及率はすごく低い。せめて3人に1台使えるように――と国が基本方針を定めているのに、まだ5.5人で1台をのぞき込み、(ネットワーク環境が不十分なため)のぞき込んだパソコンが途中でフリーズする事態が生じてしまっている。こういう環境で、次世代が国際社会で本当に生き抜いていけるのか」と述べた。

この経験から、学校のICT環境整備が進まない一因として地方財政措置による整備の方針を挙げ、「地財措置では自治体の判断に委ねるしかなくなる。このままでは、また次の10年がたってしまう」と強い危機感を表明。国費を使って計画的にICT環境の整備を進め、「1年、2年、3年のうちに学校の教育環境を変えていきたい」と話した。

文科省では、学校のICT環境整備について、2018~22年度の「教育のICT化に向けた環境整備5カ年計画」を策定し、単年度1805億円の地方財政措置を講じている。また、20年度予算案では、大型新規事業としてGIGAスクールネットワーク構想に375億円を要求。国公私立の小、中、高校、特別支援学校の3分の1に相当する約1万校について、高速で大容量の通信ネットワークを整備する方針。ただ、自治体によって温度差があり、予算がICT環境の整備に充てられず、地域間格差につながる恐れが高いと指摘されている。

こうした状況下、安倍晋三首相が先の経済財政諮問会議で「パソコンが1人当たり1台となることが当然だということを、国家意思として明確に示すことが重要」と述べ、整備促進を関係省庁に指示。萩生田文科相は11月22日の閣議後会見で、「補正予算に計上できるように準備を進めている」と述べ、経済対策の一環として編成される本年度補正予算に学校のICT環境整備の関連費用を盛り込む考えを示した。


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