高校入試の定員内不合格 ALS患者の舩後議員が問題提起

志願者数が定員に満たないにもかかわらず、重度の障害のある受験生を不合格にする高校の「定員内不合格」は、インクルーシブの考えに反している――。参院で11月26日に開かれた文教科学委員会で、れいわ新選組の舩後靖彦議員がこんな問題を提起した。定員内不合格は、都道府県によって対応が異なり、実態把握が進んでいない状況がある。

先の参院選で初当選し、筋萎縮性側索硬化症(ALS)により、車いすでの移動や、代読などで質疑を行っている舩後議員は、沖縄県に住む、重度の知的障害のある子供の保護者から寄せられた手紙を紹介。

地域の高校への入学を希望して受験したものの、1年目は定員を超えていたために不合格に、2年目は定員が空いていたにもかかわらず不合格になってしまったとし、高校が実質的に全入となっている現状で、高校で定員内不合格が行われている実態を問題視した。

舩後議員は「『小中学校で同世代と一緒に学び、多様な子供たちの中で育ち合ったからこそ、特別支援学校高等部ではなく高校に、みんなと一緒に行きたい』。そんな当たり前の願いに対し、枠が余っているにもかかわらず、何年にもわたり不合格とされ、同世代とのつながりを絶たれてしまう。ほぼ全入の高校から希望する生徒を排除することは、将来にわたって地域で暮らしていくインクルーシブな社会づくりに反している」と批判。

萩生田光一文科相に対し、定員内不合格を出さないように全国の教育委員会に働き掛け、各高校で多様な生徒を受け入れられるような体制整備を進めることについて、見解をただした。

萩生田文科相は「文科省において、障害のある生徒に対する入学試験の実施に際し、別室実施や出題方法の工夫など、可能な限り配慮を行うよう通知しており、各高校にも適切な対応を促している。引き続き、障害のある生徒に対する入学者選抜が適切に実施されるよう、各都道府県に対し各種会議などを通じて促していきたい」と答弁。

都道府県によって異なる定員内不合格の実態調査を進めることについては、「都道府県教育委員会の意向も十分に勘案した上で検討する必要がある」と述べるにとどめた。

文科省によると、今年度高校入試では、32都道府県で定員内であっても不合格とする可能性があり、15都道府県では、原則として定員内であれば不合格を出さないとしているなど、定員内不合格の扱いを巡っては都道府県によって違いがある。


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