「国の想定超え暴走」現職教員が変形労働の参考人質疑で

給特法改正案を審議している参院の文教科学委員会は11月28日、現職の公立高校教員で、改正法案に盛り込まれている1年単位の変形労働時間制の導入に反対する署名活動を「斉藤ひでみ」のペンネームで取り組んだ西村祐二氏が、参考人として呼ばれた。

西村氏は冒頭、1年単位の変形労働時間制の導入について「率直に言って大変憤っている。政府の言うように教員の長時間労働を改善するための方策ではない。むしろ現場実感として業務を増やす可能性が大きい。大多数の教員はこれを望んでいないと考える。教職の魅力を向上するものにもならない」と反対を表明。変形労働時間制の導入によって、公教育の質が保証できなくなると指摘した。

また、各自治体が条例により変形労働時間制を導入することを想定し、文科省で省令や指針を定めることについては、「変形労働は国の想定を超えて必ず暴走する。国がどんなガイドラインや指針を示しても、強制力を伴わないと歯止めにならないのが教育現場の実際だ。この法律制定は総力戦で挑む働き方改革の一里塚ではなく、公教育崩壊のポイントオブノーリターン(回帰不能点)だったと記憶されると思う」と懸念した。

その上で、西村氏は、変形労働時間制を導入することになるのであれば、少なくとも▽導入前に自治体が勤務実態調査を実施し、国の指針を超える勤務実態が明らかとなれば、導入は不可とする▽どういった場合に変形労働を加えられるのかを、現状の給特法における超勤4項目と同じように明示する▽部活動顧問を望まない教員に職務命令で押し付けないことを明記する▽授業準備も労働であることを明記し、定時内に授業準備をする時間が確保されるようにする▽定時後の残業に上限を設けた上で、上限を超えた場合には、管理職に罰則を科す――ことが必要だと提案した。

参考人には、西村氏の他に、郡司隆文・全日本教職員連盟委員長、東川勝哉・日本PTA全国協議会顧問、相原康伸・日本労働組合総連合会事務局長が呼ばれ、質疑が行われた。このうち、東川氏と相原氏は、中教審の学校における働き方改革特別部会の委員を務めた。


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