体罰によらない子育て 厚労省がガイドライン素案

子育てにおける体罰の問題を議論していた厚労省の「体罰等によらない子育ての推進に関する検討会」は12月3日、第3回会合を開き、しつけと体罰の違いや体罰が子供に与える悪影響などを整理したガイドラインの素案を取りまとめた。今年6月に改正児童福祉法が成立し、子供への体罰禁止が明文化されたことを踏まえ、子供の権利を保障する観点から、保護者や社会の体罰に対する意識変革を求めた。

体罰によらない子育ての考え方について、素案を検討する委員ら

素案では、体罰によって子供の行動が変わったとしても、それはたたかれた恐怖によって行動した結果であり、子供の成長の助けにならないとし、体罰の必要性を否定。保護者が体罰によらない子育てをできるよう、体罰禁止の考え方を広めるとともに、周囲や社会で保護者を支援していく重要性を挙げた。

また、子供へのしつけであったとしても、身体に何らかの苦痛や不快感を引き起こす行為は体罰に該当するとし▽口で3回注意したが言うことを聞かないので頬をたたいた▽大切なものにいたずらをしたので、長時間正座をさせた▽友達を殴ってけがをさせたので、同じように子供を殴った▽宿題をしなかったので、夕食を与えなかった――などを具体的な体罰として例示した。

一方で、道に飛び出しそうな子供の手をつかむといった子供を保護するための行為や、他人に暴力を振るおうとするのを制止する行為は体罰に当たらないとした。

また、虐待や体罰、暴言によるトラウマ体験は、子供の心身にダメージを引き起こし、成長・発達に悪影響を与えるだけでなく、保護者に恐怖心を抱くようになり、信頼関係を築きにくくなると指摘。体罰によらない子供との接し方として▽子供の気持ちを受け止め、考えを聞く▽子供の行動に注目して、肯定的・具体的に話す▽良いこと、望ましいことをしたら褒める▽望ましい行動のリハーサルをする、保護者がお手本になる▽子供が困った行動に固執する場合は、注意をそらしたり、良い行動へのモチベーションを上げたりする――ことを挙げた。

さらに、保護者が子育ての悩みを一人で抱え込まないようにするために、地域や医療・福祉現場、教育現場などで保護者と接する人が、声掛けや支援をしていく重要性も盛り込んだ。

ガイドラインの素案は今後、文言の修正を加えた上でパブリックコメントを求める。ガイドラインは今年度中に策定される予定。


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