2023年度までに1人1台端末を実現 経済対策を決定

政府は12月5日夕に臨時閣議を開き、事業規模26兆円に上る経済対策「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」を決定した。財政支出は13兆2000億円で、うち国・地方の歳出は9兆4000億円となる。教育関連では、学校の高速インターネット網を整備し、2023年までに小学校と中学校で全学年の児童生徒が1人1台の端末を持ち、活用できる環境の実現が盛り込まれた。「危機的状況」(萩生田光一文科相)と言われてきた学校のICT環境整備は、全国規模で一気に進む可能性が出てきた。

経済対策を取りまとめた経済財政諮問会議(首相官邸のホームページから)

学校のICT環境整備では、地方自治体が予算の使途を判断する地方財政措置の場合、ICT環境整備が十分に進まない場合があるとの懸念が出ていることから、経済対策では「事業を実施する地方公共団体に対し、国として継続的に財源を確保し、必要な支援を講ずる」として、国が主導して全国の学校にICT環境を整備する方向性を明示した。

また、学校現場では、IT関連機器の取り扱いに不慣れで、短い休み時間に機器の準備ができないなどの指摘があることを受け、「教育人材や教育内容といったソフト面でも対応を行う」と外部人材の登用など必要な措置も盛り込んだ。

経済対策は今年度補正予算案と来年度当初予算案を合わせた「15カ月予算」として12月中に編成され、具体的な予算の項目と金額が設定される。

文科省では、来年度予算案で、大型新規事業としてGIGAスクールネットワーク構想に375億円を要求。国公私立の小、中、高校、特別支援学校の3分の1に相当する約1万校について、高速で大容量の通信ネットワークを整備する方針。これらも経済対策の一部として盛り込まれた。

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政府の経済対策における教育関連部分は以下の通り。

○Society 5.0 時代を担う人材投資、子育てしやすい生活環境の整備

国の将来は何よりも人材にかかっている。初等中等教育において、Society 5.0 という新たな時代を担う人材の教育や、特別な支援を必要とするなどの多様な子供たちを誰一人取り残すことのない一人一人に応じた個別最適化学習にふさわしい環境を速やかに整備するため、学校における高速大容量のネットワーク環境(校内LAN)の整備を推進するとともに、特に、義務教育段階において、令和5年度(2023年度)までに、全学年の児童生徒一人一人がそれぞれ端末を持ち、十分に活用できる環境の実現を目指すこととし、事業を実施する地方公共団体に対し、国として継続的に財源を確保し、必要な支援を講ずることとする。あわせて教育人材や教育内容といったソフト面でも対応を行う。また、研究開発力の強化等に必要となる人材育成のため、老朽化が著しい高専や大学の基盤的設備の整備を進める。

地域の実情・課題に応じた少子化対策を推進するとともに、空き家等の購入時における子育て用リフォームの支援、保育の受け皿整備など子育てしやすい生活環境の整備等に取り組む。

    • GIGAスクール構想の実現(Global and Innovation Gateway for ALL)(文部科学省)
    • EdTech導入実証事業(経済産業省)
    • 教育現場の課題解決に向けたローカル5Gの活用モデル構築(総務省)
    • 国立大学等における Society 5.0 時代を担う人材育成のための教育研究環境の基盤整備(文部科学省)
    • 私立大学等における教育研究基盤装置の整備による人材力の強化(文部科学省)
    • 国立高等専門学校の基盤的設備の整備(文部科学省)
    • ラグビー競技を実施できるスポーツ施設の整備(文部科学省)
    • 認定こども園の施設整備(文部科学省)
    • 保育の受け皿整備(厚生労働省)
    • 子育てフレンドリーで安全な都市の実現(国土交通省)
    • 地域の実情・課題に応じた少子化対策(結婚・ライフプラン形成支援等)や女性活躍の推進(内閣府)
    • 地域子供の未来応援交付金を通じた子供の貧困対策(内閣府) 等

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