鳥獣被害対策と地域おこし 埼玉県立高校で探究型授業

鳥獣被害対策と地域活性化を目指す探究型の授業が12月5日、埼玉県立小鹿野高校(浅見和義校長、生徒209人)で実施された。同じ埼玉県秩父郡小鹿野町にある「ちちぶのじか活性化協議会」と連携したもので、地域の実態や起きている問題に対する理解を深め、「自分に何ができるか」という視点で考えさせる狙い。鹿肉を生かしたオリジナルの新メニュー開発にも取り組んだ。

鹿肉を生かしたオリジナルの新メニューを試作する高校生

同協議会によれば、秩父では野生の鹿が増え続けており、森林や農作物への深刻な被害が多発しているという。鹿が有害鳥獣として駆除されるようになる中、「自然が育んだ命として大切にしたい」と考えたと話し、「鹿肉を食べさせていただき、鹿皮を利用させていただく。そして鹿に感謝する。決して命を粗末に扱わないという姿勢を、若い世代に学んでほしい」と語る。

同協議会は10月、同校の3年生を対象とした授業に参加し、鳥獣被害の現状や「地域の産業が衰退しつつある」という課題に加え、鹿を活用した地域活性化の取り組みについて説明。「知ることも大切だが、それだけではなく何らかの行動につなげてほしい。地域全体で盛り上げたい」と訴えた。

生徒は「自分たちも地域おこしに尽力したい」と表明。「鹿肉新メニュー」の開発が決まり、その後の授業で鹿肉の調理や試食、新メニューの開発に取り組み、12月5日、5グループに分かれてそれぞれ1品ずつ試作した。

生徒が開発したのは「鹿肉そぼろ飯」「鹿肉としいたけの揚げ物」「鹿肉のつけ汁うどん」「鹿肉豆腐」「鹿肉のしゃぶしゃぶサラダ」の5品。発表と試食を終え、生徒は「はじめは鹿肉に抵抗があったが、おいしいとわかった」「お酒を飲む人に向け、もつ煮風にもチャレンジしたい」などと意見を交わした。

これらの新メニューは来年1月にも、同町内の飲食店や旅館などで「小鹿野高校生が開発した鹿肉メニュー」として提供する予定。