学科の在り方巡る議論開始 専門高校も検討、高校改革WG

高校改革について議論している中教審の「新しい時代の高等学校教育の在り方ワーキンググループ」(高校改革WG)は12月9日、第5回会合を開き、専門学科での専門性を育成するカリキュラムの在り方について検討した。また、普通科などの学科の在り方についても、具体化に向けた議論を開始した。

専門高校をテーマに議論する高校改革WGの委員ら

高校の専門学科の事例報告として、今年度からIT企業や専門学校と連携し「P-TECH」を展開している東京都立町田工業高校と、大学と連携した商業分野での高大接続カリキュラムで実績を上げている大阪市立大阪ビジネスフロンティア高校が、それぞれの取り組みを発表。

日本IBM、日本工学院八王子専門学校を運営する片柳学園との包括連携協定を締結し、5年間を見通したITに関する専門性を育成するカリキュラム開発を進めている町田工業高校では、日本IBMの社員が3~4人の生徒と仕事や学習などについて話し合うメンタリングセッションを複数回実施したり、専門的な内容の授業支援を行ったりしている。

同校の山之口和宏校長は「年間を通じて継続的・計画的に実施することで、生徒の学習意欲の向上に特に効果がある。企業と連携し、専門学校までを見据えたカリキュラム開発は、ITだけでなくさまざまな産業分野でも展開できるのではないか。そのモデルとして取り組んでいきたい」と話した。

大阪ビジネスフロンティア高校では、複数の大学と連携した特別入学制度を実施し、毎年60人程度が連携先の大学に進学している。同制度では、高校での成績と「英語」「簿記会計」「情報処理」の資格取得、大学との連携プログラムでの成果などを評価する。

また、連携大学の教員が同校の生徒向けに執筆したテキストなどを使用した高大接続科目も開設している。

同校の平寿之校長は「例えば、商業高校で簿記などの資格を取得したり、知識を学んだりして大学の商学部などへ進学すると、また一から大学で簿記について学び直すことになり、生徒のモチベーションは下がってしまう。高校と大学の7年間を見通したプログラムにすることで、こうした問題を解決し、生徒の専門性をさらに高めることができる」と狙いを説明した。

さらにこの日の会合では、これまでの議論を踏まえ、普通科を中心に生徒の学習意欲を喚起し、その能力を最大限伸ばすための学科の在り方について、各学校が社会に対して果たすべき役割(スクール・ミッション)を再定義し、それを踏まえてカリキュラムや卒業認定、入学者の受け入れに関する考え方(スクール・ポリシー)を策定して、それらに基づいた学科の在り方を検討する必要性があることを確認。

委員からは「既存の教科について、スクール・ポリシーなどを踏まえて各学校がどのような位置付けをするかが問われる。例えば、商業高校で学ぶ『歴史総合』は資本主義の視点を軸に学ぶようにすれば、スペシャリストに求められる教養になる。同じ教科・科目でも、学校ごとにカラフルであってよいはずだ」「高校の学びの先にある地域や産業界、大学との協働体制の構築がより重要になる。その上で、そうした協働体制で得られたものを学習プロセスとしてどのように再構築するかが、これからの高校や教員には求められる」「中学生が高校を選ぶときに、将来のキャリアイメージまでしっかり描いているかといえば、そうではない。高校での探究的な学びなどから、進路をじっくり考えていけるようにしていくべきだ」などの意見が出た。


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