中教審初等中等教育分科会は12月13日、第124回会合を開き、特別部会で検討を重ねてきた「新しい時代の初等中等教育の在り方」の論点を取りまとめた。

学校のICT環境の整備については、現状では致命的な遅延や地域間格差があると問題視。ハードとソフトの整備を一体的かつ早急に進めるべきだとした。
ハードでは、全ての学校で1人1台環境を実現するとともに、高速大容量の安定した通信ネットワーク環境やクラウドの活用も並行して推進。自治体や学校がICT環境の整備を計画的に取り組めるような支援策の必要性を指摘した。
ソフトでは、デジタル教科書・教材を活用することで、知識・技能の定着に要する授業時間を短縮し、探究的な学習にかける時間を増やすことができるとし、良質な学習リソースの開発や統合型校務支援システムの導入を促進すべきだとした。
また、そうした環境が実現した場合の教師の役割や指導体制については、今年度中をめどに、デジタル教科書の在り方については、教科書の改訂スケジュールを踏まえ、来年度中をめどに、それぞれ方向性を提示。先端技術の活用を踏まえた年間授業時数や標準的な授業時間の在り方、学年を超えた学びについても早急に検討するとした。
小学校高学年の教科担任制については、外国語教育をはじめ、教育内容の専門性が向上することを踏まえ、2022年度をめどに本格的に導入すべきだと提言。それを見据え、義務標準法の改正も含めた、教科担任制に必要な教員定数の確保や小中連携、教員養成、免許制度、教育課程の在り方などについて検討を進めるとした。
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