19年度教員採用試験の倍率 小学校で過去最低の2.8倍

2018年度に実施した19年度教員採用試験の競争倍率は、全体で4.2倍にまで落ち込んだことが、12月23日、文科省の取りまとめで明らかとなった。特に小学校の採用倍率は2.8倍で、91年度教員採用試験と並んで過去最低となった。受験者数が減少する一方で採用者数が増加したことが、倍率を下げる一因となっている。

教員採用試験の採用倍率の推移(校種別)

小、中、高、特別支援学校、養護教諭、栄養教諭を合計した全体の採用倍率は4.2倍で、前年度の4.9倍から減少。92年度の教員採用試験と同程度の水準となった。受験者数は14万8465人で、前年度と比べ1万2202人減少する一方、採用者数は3万4952人で、前年度と比べ1966人増加した。

校種別にみると、小学校の採用倍率は2.8倍で、前年度の3.2倍から減少。受験者数は4万7661人(前年度比3536人減)なのに対し、採用者数は1万7029人(同1094人増)だった。小学校の受験者で既卒者の占める割合は63.6%、採用者で教職経験者の占める割合は48.5%、民間企業などでの勤務経験者は3.1%だった。

小学校で採用倍率が高い都道府県・政令市は▽兵庫県 6.1倍▽高知県 5.8倍▽相模原市 5.8倍▽群馬県 5.5倍▽三重県 5.0倍。競争率が低いのは▽新潟県 1.2倍▽福岡県 1.3倍▽佐賀県 1.6倍▽北海道・札幌市 1.7倍▽北九州市 1.7倍。採用倍率で2倍を切ったのは、前年度では新潟県と福岡県のみだったが、19年度では▽新潟県▽福岡県▽佐賀県▽北海道・札幌市▽北九州市▽広島県・広島市▽長崎県▽宮崎県▽新潟市▽愛媛県――にまで広がった。

文科省が分析したところ、兵庫県など、採用者数が中長期的に安定している自治体では高い採用倍率を維持している一方、新潟県や福岡県、佐賀県など、年度ごとの採用者数のばらつきが大きかったり、近年採用者数を大幅に増やしたりしている自治体では、採用倍率が低下している傾向がみられた。

中学校の採用倍率は5.7倍で、前年度の6.8倍から減少。92~93年度と同程度の水準となった。受験者数は4万9190人(同5076人減)なのに対し、採用者数は8650人(同662人増)だった。受験者のうち、既卒者の割合は70.4%、採用者の中で教職経験者が占める割合は57.3%、民間企業などでの勤務経験者の割合は3.9%だった。

採用倍率が高いのは▽福岡市 13.0倍▽三重県 11.1倍▽京都市 10.2倍▽大阪府の豊能地区 9.6倍▽高知県 9.5倍。低いのは▽新潟県 2.4倍▽山形県 3.1倍▽茨城県 3.1倍▽北九州市 3.2倍▽群馬県 3.3倍。

高校の採用倍率は6.9倍で、前年度の7.7倍から減少。93年度と同程度の水準となった。受験者数は3万121人(同2664人減)なのに対し、採用者数は4345人(同114人増)だった。採用者のうち、教職経験者の占める割合は56.1%、民間企業での勤務経験者は5.7%だった。

競争率が高いのは▽秋田県 17.6倍▽福岡市 16.0倍▽熊本県 15.9倍▽群馬県 14.4倍▽新潟県 14.4倍。低いのは▽北海道・札幌市 4.7倍▽茨城県 4.7倍▽長野県 5.3倍▽堺市 5.5倍▽山形県 5.8倍▽岐阜県 5.8倍。

小学校の倍率低下について、文科省は、受験者数のうち新規学卒者数は14年度以降、横ばい傾向であることから、近年の民間企業の採用状況の好転などにより、教員採用試験に不合格となった後、再度受験する層が減っていることが考えられると分析。教職の人気低下が原因とは必ずしも言えないと見ている。


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