世界のトップ大学が求める学生の資質 元ミネルバ山本氏

これからの日本の教育における課題を掘り下げる連続講座「未来の先生展セミナー」の第7回が12月20日、都内で開催された。テーマは「大学選びは、世界地図を拡げて」。2014年に新設され、いまや全米最難関といわれるミネルバ大学の元日本事務局代表・山本秀樹氏の講演「世界のトップ大学が求める学生の資質とは?」と、当連続講座の会場を提供した立命館アジア太平洋大学(APU)の卒業生を交えたディスカッションが行われた。

「推薦状はよく話し合って書いて」と話す山本秀樹氏

山本氏は米国のトップ大学における入試の現状について話し、「推薦状は学力をはかるためのものではなく、どれだけ学校で大事にされてきたかを見るもの」と説明。

「大学側が知りたいのは具体的な学生の特徴。その学生を教えてみたい、と教授が興味をそそられるかどうかがポイント。書いてもらうべき内容は、学生本人の強みと弱み、人間的な魅力について。日本の学校は推薦状に自校の歴史や宣伝を書きがちだが、これでは意味がない。偏差値上位校であっても、トップ大学の入試では有利にならない。『その学生がどういう人間で、学校の内外でどう評価されたか』を素直に出すとよい」と解説した。

その上で「推薦状はとても大事なので、先生任せにせず、生徒本人が先生とよく話し合って書いてもらってほしい。日本語で書いてもらい、誰か別の人に英訳してもらってサインをもらえばよい。絶対にやってはいけないのは、学者や政治家など有名人に推薦状を書いてもらうこと。『権力で脅しにかかっている』と誤解されてしまう」と話した。

また「語られない真実」として、米国のトップ大学が留学生に求める資質は、英語力よりも「お金を持ってくる力、スポンサーを見つける力、自分で稼げる力」や、「圧倒的な原体験、人間力、健全な野心」であることを指摘。

背景として、人の仕事に求められる実社会のニーズが、これまでの「知識」をベースとしたものから、「問題の発見」「解決方法の設計」「対立の調整」といった能力に変わってきていることを挙げた。

ディスカッションで、APUを卒業したスリランカ出身の男性は、日本の若い世代に、「全く知らないところに行き、未知の体験をできるのは今しかないと伝えたい」と発言。

また同学の伊藤健志学長室課長は「世界では500万人以上の生徒たちが、国境を超えて進学先を選んでおり、APUには世界90カ国から学生が来ている。なのに日本の子供たちだけが、自分の偏差値から行ける大学を選んでいる。もっと選択肢を広くもってほしい」と話した。

連続講座「未来の先生展セミナー」は、9月に行われた教育イベント「未来の先生展2019」に併せて企画されたもの。この第7回が最終となった。


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