教員の長時間労働が改善傾向 働き方改革の取組状況調査

文科省は12月25日、2019年度の「教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査」の結果を公表した。詳細な勤務実態を把握している教育委員会の回答を基に、教員の時間外勤務の経年比較をしたところ、教員の長時間労働が改善されている傾向がみられた。文科省が19年1月に策定した、教員の勤務時間の「上限ガイドライン」に沿った方針を策定している自治体は、2割程度にとどまった。

教員の勤務時間の上限に関する方針の策定状況

4月の時間外勤務を校種別にみると、小学校では▽45時間以下 48.2%(前年同期比3.6ポイント増)▽45時間超~80時間以下 39.8%(同2.5ポイント増)▽80時間超~100時間以下 9.1%(同4.1ポイント減)▽100時間超 3.0%(同1.9ポイント減)。

中学校では▽45時間以下 33.2%(同2.8ポイント増)▽45時間超~80時間以下 38.8%(同3.6ポイント増)▽80時間超~100時間以下 15.8%(同3.0ポイント減)▽100時間超 12.3%(同3.3ポイント減)。

高校では▽45時間以下 51.9%(同3.9ポイント増)▽45時間超~80時間以下 27.8%(同3.0ポイント増)▽80時間超~100時間以下 9.8%(同2.4ポイント減)▽100時間超 10.5%(同4.5ポイント減)で、長時間労働に改善がみられた。

ICカードやタイムカードなどにより、客観的に在校等時間を把握していると回答したのは、都道府県で66.0%、政令市で75.0%、市区町村で47.4%。政令市を除き、客観的な把握をしている市区町村の割合が高い都道府県には、群馬(97.1%)や山口(94.7%)、茨城(93.2%)などがあった一方、低い都道府県には、鳥取(5.3%)、三重(6.9%)、山梨(14.3%)などがあり、地域によるばらつきが大きい。

また、在校等時間を把握していないと回答した市区町村が存在するのは25都道府県で、その割合をみると、奈良(38.5%)や北海道(38.2%)、神奈川(36.7%)などが高かった。

教員の勤務時間の上限に関する方針の策定状況について、文科省が定めた「上限ガイドライン」を踏まえた内容で策定しているのは、都道府県の21.3%、政令市の20%、市区町村の15.1%。独自の基準で策定済みだが、「上限ガイドライン」を踏まえた改訂を検討しているのは、都道府県の19.1%、政令市の25.0%、市区町村の13.1%だった。なお、市区町村のうち、18.4%は「策定は予定していない」と回答した。

同調査は全国の都道府県、政令市、市区町村(事務組合含む)の1788教育委員会を対象に、所管している公立学校の勤務実態の把握状況や働き方改革の好事例を分析。今回の調査から、客観的な方法による在校等時間の把握などで、学校の働き方改革の代表的な取り組み状況について、具体的な自治体名を公表した。


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