今年の重大ニュース 「Edubate」トップ5から振り返る

2019年の重大ニュースランキング

教育新聞が今年始めた「Edubate」の読者投票は、教育に関する問題、課題について、読者が多様な視点から投票・投稿し、議論を深める企画。12月16日に実施した「あなたが選ぶ今年の重大ニュースは?」では、2019年の教育と学校に関する13の注目ニュースを挙げ、最も重要だと考えるニュースを選んでもらった。上位トップ5に挙がったニュースを基に、今年を振り返ってみたい。

最も投票が集まったのは、大学入学共通テストの英語民間試験の延期だった。

【英語民間試験】 萩生田文科相、「白紙撤回」に言及 >

予定では20年4月から始まる予定だったが、高校現場や受験生の不安を解消できなかった。その後、記述式問題についても見直しとなり、共通テストはその両翼を失う形となった。

文科省では検討会議を設置し、20年末までに英語4技能の評価や記述式問題の在り方について方針を出す予定だ。望ましい大学入試とはどのような姿なのか。国民的な議論が必要だ。

続いて、第2位には臨時国会で成立した改正給特法がランクイン。

改正給特法が成立 変形労働時間制の導入が可能に >

自治体が条例を定めることによって、1年単位の変形労働時間制を導入できるようになった。それだけでなく、教員の長時間労働の問題が社会的関心事となったことも記憶にとどめたい。

今後、変形労働時間制の導入を検討する自治体も出てくることだろう。自治体には学校現場の声を反映したり、勤務の実態を正確に把握したりした上での、慎重な運用が求められる。

第3位には、小学校高学年での教科担任制が選ばれた。

22年度から小学校高学年で教科担任制 論点を取りまとめ >

先日の中教審初等中等教育分科会では2022年度から実施する方針が取りまとめられ、文科省では20年度予算案の中に、すでに小学校で教科担任制を導入している自治体を支援するための教員加配を盛り込んでいる。

新学習指導要領への対応や働き方改革を進める上で有効な施策になると期待される一方で、教員免許状の問題や義務標準法など、さまざまな分野に影響を及ぼすことが予想される。こうした制度変更への対応を踏まえると、実施までの時間は限られている。

第4位の神戸市の小学校で起きた同僚教員へのハラスメント行為は、メディアでも大きく取り上げられた。

同僚教員による暴行・いじめ 校長が会見で経緯説明 >

まさに学校現場のひずみを象徴するようなショッキングな出来事だった。神戸市教委では現在、調査委員会による事実解明を進めているが、独特の人事システムやハラスメント行為に適切に対応できなかった組織の問題など、膿(うみ)を出し切った上での改革が必要だろう。

第5位は同率で宮城県の大川小津波訴訟とGIGAスクール構想の実現が並んだ。

学校の「過失」と「責任」確定 大川小津波訴訟、最高裁 >
2023年度までに1人1台端末を実現 経済対策を決定 >

前者は、5月に起きた川崎スクールバス襲撃事件と並び、学校安全の在り方が根本的に問い直されるターニングポイントとなった。また、後者は遅々として進まなかった学校のICT化が一気に加速することとなる。

こうして眺めると、2019年の教育と学校を巡るニュースは、令和の時代の幕開けを象徴するような事件や新たな施策が並んだ。2020年は小学校で新学習指導要領が全面実施を迎える。2020年の学校では、今とはかなり違った新しい学びの景色が見えるかもしれない。

(藤井孝良)


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