「おもてなし英会話」伝わる喜びが意欲に 東京・谷中小

外国人観光客に英語でおもてなし――。東京都台東区立谷中小学校(園部謙一校長、児童364人)では、オリパラ教育の一環として「おもてなし英会話」に取り組んでいる。情緒あふれるスポットを訪れる外国人観光客に、児童らが英語を使って魅力を紹介する光景は、地域の新しい風物詩になっている。

おもてなし英会話で外国人観光客に名所や魅力を紹介する児童

2015年度から区の事業指定を受けて始まった「おもてなし英会話」の取り組みは▽おもてなしの心を持って、友達や他者を大切にし、共に生きる人を育てる▽日本の伝統文化を誇りとし、異文化社会に興味・関心を持ち行動できる人を育てる▽地域や自分を愛し、健康で夢に向かって努力する人を育てる――ことを目標とし、外国人観光客が多い立地を生かし、「地域を教科書にして」、全学年で発達段階に応じた英語学習のプログラムを展開している。

例えば、4年生は区内にある上野恩賜公園で、5、6年生は同校近隣の谷中銀座商店街で、外国人観光客に英語で名所や魅力を解説する。

大島賢副校長は「外国人観光客は、児童のつたない英語でも優しく対応してくれる。児童は『伝わった!』という喜びを得て、『また英語を使ってコミュニケーションしたい』と意欲が高まる」と成果を実感する。

同校ではさらに、独自の取り組みとして1~10級の「おもてなし英会話検定」を実施。アルファベットや曜日から始まり、自己紹介、名所紹介、道案内と次第に難易度が上がっていく。検定に挑むのは義務ではなく、ALTもしくは大島副校長が「試験官」となり、受けたい児童がいつでも受けられる仕組みだ。

大島副校長は「検定を設けたことで、特に低学年の意欲が高まっている。成功体験を積み重ねられ、知識の定着にもつながっている」と強調する。

実際、同校が実施した授業アンケートでは「おもてなし英会話の時間は楽しいですか」という質問に、「楽しい」「まあまあ楽しい」と児童全員が回答。自分たちが学んだ英語を実際に使いながらコミュニケーションを図る楽しさや喜びを、児童が実感していることを裏付けている。

同校は、全校で東京大会を観戦する予定で、大島副校長らは「おもてなし英会話」を実際に活用する絶好の機会になると期待を寄せる。

大島副校長は「オリパラ教育は、平和、共生社会、フェアプレー精神といったことを、児童が身近に感じながら学べるまたとない機会。限られた時数の中ではあるが、これからもさまざまな教科と関連させながら取り組んでいきたい」と展望を語った。


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