「『教育』から『学び』へ」 デジハリ佐藤教授が講演

埼玉県戸田市教委は1月8日、デジタルハリウッド大学大学院の佐藤昌宏教授らによる「これからの時代に向けた個に応じた学びの在り方」をテーマとした講演会を、同市役所で実施した。「戸田市教育フェスティバル」の一環で、同市立小中学校全18校と講演会場をウェブ会議システムで接続。同市では午前中に始業式を実施しており、児童生徒を下校させた後、ほぼ全ての教職員が所属校で講演を視聴した。

講演するデジタルハリウッド大学大学院の佐藤昌宏教授

最初に登壇したのは、NPO法人「カタリバ」のパートナー今村亮氏。冒頭、「学校が社会に開かれ始めた」と述べ、「個に応じた学びを進めるには、教員、親との『タテの関係』や友人との『ヨコの関係』だけではなく、少し未来を生きる年上の先輩との『ナナメの関係』が重要になる」と説明。

その一例として、スウェーデンには民間団体が運営する「ユースセンター」と呼ばれる施設があり、放課後などに自由に集まってさまざまな余暇活動に参加できると紹介し、「今後は日本でも積極的に、ユースセンターのような外部の力を学校教育に取り入れてほしい」と訴えた。

デジタルハリウッド大学大学院の佐藤昌宏教授は、「EdTechによる個別最適化がもたらす学習者中心の学び」と題して講演し、「教育にICTを取り入れただけではEdTechとは言えない。劇的なビフォアアフターを伴う必要がある」と強調。

最大のテーマは「『教育』から『学び』へ」だとした上で、「テクノロジーの進化で、学習仲間とSNSでつながったり、自身が学習している様子を動画で公開したりするなど、ラーナーセントリック(学習者中心)が加速している」と述べ、個別最適化に向けた必須条件として、▽デジタルテクノロジーの学校インフラ化▽紙文化からデジタルへの移行▽スタディーログ運用のルール化――の3つを提示した。

また、「EdTechを活用すればどこでも学べる。米国には不登校の概念がない」と話し、「今、学校現場がやるべきなのは、デジタルテクノロジーとの付き合い方を学び、一斉指導と個別学習のあり方を試行錯誤することだ。10年後のあるべき姿を見据え、今年はその1年目だという気持ちでイノベーションに向き合うことが重要だ」と締めくくった。


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