ひきこもりの人の家族を支援 九大などが教育プログラム

九州大学は1月9日、同学などの共同研究チームが、ひきこもりの人の家族を支援する教育支援プログラムを開発したと発表した。5日間のプログラム受講で、ひきこもっている家族に相談機関へ行くのを促す、具体的な対話スキルなどを習得できる。

6カ月以上にわたり就労や学業などの社会参加を回避し、自宅にとどまっているひきこもりは、うつ病などの精神疾患を伴っているケースも少なくない。しかし、本人や家族が相談機関や医療機関に行くことをためらい、早期の支援が遅れて長期化すると、80代の高齢者の親が50代のひきこもりの子供を抱える「8050問題」などにつながるリスクもある。

そこで、共同研究チームは、身近な人の心の問題に対する応急措置の技術を学ぶ「メンタルヘルス・ファーストエイド」や、認知行動療法に基づいた家族向けプログラムを開発。講義やロールプレイによる実習を通じて、ひきこもりや精神疾患への理解を深め、ひきこもりの人に対して、適切な声かけで相談機関や医療機関に行くことを働きかけるといった対話スキルを身に付けられる。

実際に21人の親を対象にパイロット試験を行い、6カ月にわたり追跡調査を行ったところ、うつ状態にあるひきこもり症例への対応スキルや精神疾患への偏見などに改善がみられ、ひきこもっていた子供が社会参加を果たすなど、行動の変化が報告された。

共同研究チームでは、今後もプログラムの改善を進め、短時間やオンラインによる受講によって、より多くの家族が活用できるようにすることを目指す。


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