「いじめ対策担当教諭」の改善求める 仙台市有識者会議

仙台市が設置した有識者のいじめ防止等対策検証会議は1月14日までに、一部を除く市立小中学校に市教委が1人ずつ配置した「いじめ対策担当教諭」に関して、改善を求める検証結果報告書を郡和子市長に提出した。同会議で会長を務める仙台白百合女子大学の氏家靖浩教授は「改善策をすぐ実行に移してほしい」と求め、郡市長は「重く受け止め、詳しく読んで対応していく」と応じた。

「いじめ対策担当教諭」を中心とした話し合いのイメージ(仙台市教委作成『いじめ対策ハンドブック』より)

いじめ対策担当教諭は、いじめの未然防止や早期発見、迅速な対応を主な狙いとして、2016年度に創設された。中学校については、市立中学校と中等教育学校の全64校と特別支援学校1校に「いじめ対策専任教諭」を各1人増員し、事案発生時の中核的な役割を担わせている。

小学校については市立小学校の約7割に当たる89校に「児童支援教諭」を各1人増員し、いじめのほか不登校や発達障害などの課題に対応するコーディネーターとしている。

同会議はこのいじめ対策担当教諭について、「指導力や調整力が十分ではない教員が担当している」「配置後も不適切に対応した事例が発生している」と指摘し、いじめ対策の能力や資質に優れた人材を配置したり、研修を見直して現実に即した実践的な内容にしたりするなどの対応を求めた。

加えて、いじめ対策担当教諭の1週間の授業時数が10時間を超えるなど、いじめへの対応に注力できていないとも指摘。学校の規模に関わらず一律で各校に1人ずつ配置とする体制についても、「いじめ事案の多い学校や大規模校にはさらなる対応が必要だ」とした。

このほかいじめのアンケートについても、教員が集計してデータ入力する手間が大きいとして、調査手法の見直しや作業負担の軽減、市教委への報告の見直しを提案した。

同会議は、19年4月に施行された「いじめ防止条例」に基づいて8月に設置されたもので、大学教授や弁護士、公認会計士ら委員5人で構成。会議での検証結果を市長に毎年度報告することが条例に定められており、今年度は8月1日から4回にわたって会合が開かれた。


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