今国会でいじめ防止法改正を 大津市が馳座長に意見書

滋賀県大津市の越直美市長と、2011年に同市で起きたいじめによる自死で子供を亡くした遺族が1月22日、いじめ防止対策推進法に関する国会議員の勉強会の座長で、元文科相の馳浩衆院議員らと面会し、今通常国会での同法改正を要望する意見書を手渡した。遺族らは、昨年に馳座長が提示した「座長試案」ではなく、当初示されていた「条文案イメージ」を基にした法改正を再検討するよう求めた。

記者会見で今国会でのいじめ防止対策法の改正を求める越市長

同法を巡っては、超党派の議員による勉強会が改正に向けた議論を重ね、2018年12月に、法に基づく対応を取らなかった教員に対する懲戒規定や、各学校でいじめ対応の中核を担う「いじめ対策主任」の設置などを盛り込んだ「条文イメージ案」をまとめた。

しかし19年4月に、これらの規定が削除された形での「座長試案」が提示され、いじめ被害者の遺族らを中心に反対の声が上がっていた。それ以来、同法改正に向けた議員間の議論は停滞している。

意見書では、この間にもいじめを苦に自死してしまう子供が後を絶たないとして、今国会でいじめ防止対策の実効性を高める法改正をするよう強く要望。

大津市の独自の取り組みを参考に▽「いじめ対策主任」の専任配置と財政措置▽いじめ防止対策を組織的に実施するための「学校いじめ対策委員会」設置義務付け▽第三者調査委員会の委員構成は公平性・中立性を確保し、委員の半数または過半数を被害者側が推薦した人で構成するよう規定すること――などを求めた。

会見に臨んだ遺族は「座長試案では子供の命は守れない。法改正するにしても、現行法と何ら変わらないのでは意味がない。自治体や学校で曲解や読み替えができてしまう現行法は脆弱(ぜいじゃく)と言わざるを得ない」と指摘した。

1月24日で退任する越市長は「大津市では、いじめ事案の反省から、教員によるいじめの認識を高め、情報共有を進めるなどした結果、いじめの発見は130倍になり、早期の対応につながっている。いじめ対応の問題はどの自治体でも共通している。大津市の教訓を全国の教訓としなければいけない」と訴えた。

越市長によると、面会に応じた馳座長は、法改正に向けて新たに超党派の議員連盟を立ち上げる考えを伝えたものの、今国会での法改正を目指すことについては明言しなかったという。

遺族らは会見後、文科省に対しても、自治体が策定するいじめ防止基本方針について、同法に基づいた運用がなされるよう指導の徹底を求める要望書を提出した。

次のニュースを読む >

関連
関連記事