教職員の過労死を把握も対応せず 20都道府県3政令市

20都道府県、3政令市で、教職員が過労死した事例を把握しているものの、積極的な対応をしていなかったことが、文科省が1月23日までに公表した、公立学校の教員の公務災害に関する相談窓口の設置状況調査で明らかとなった。調査結果を受け、文科省は都道府県、政令市教育委員会に対し、過労死のケースなどで遺族から公務災害の申請があった場合には、勤務状況の記録などを保存し、遺族の相談に乗るなどの対応を求めた。

同調査では、47都道府県、20政令市の教育委員会を対象とし、昨年8月1日時点における公務災害認定に関する相談窓口の設置状況をまとめた。

相談窓口の設置状況

長時間勤務などの勤務条件について、相談窓口を設置しているのは10都道府県、4政令市で、人事委員会に設置しているのは29都道府県、7政令市。教育委員会と人事委員会のどちらにも相談窓口を設置していないのは14都道府県、11政令市に上った。

メンタルヘルスの不調といった健康障害では、45都道府県、20政令市で、相談窓口の設置か公立学校共済組合などの窓口の周知を行っていた。

公務災害の可能性があるケースで、教職員自身が公務災害認定に関して相談できる窓口を教育委員会に設置しているのは16都道府県、6政令市、地方公務員災害補償基金の窓口を周知しているのは、11都道府県、1政令市だった。29都道府県、14政令市では相談窓口の設置も同基金の窓口の周知も行っていなかった。

また、教職員の家族や遺族が相談できることを明記しているのは1都道府県のみだった。

過去3年間に脳血管疾患や心臓疾患による死亡、精神障害を原因とする自殺のケースを把握していると回答したのは、34都道府県、11政令市あった。

そのうち、死亡した教職員の勤務状況を確認し、公務災害の可能性がある場合は教育委員会に報告するよう所属長に指導したのは6都道府県、5政令市。遺族から公務災害の申請があった場合は適切に対応するよう、所属長に対して指導したのは11都道府県、3政令市。公務災害の可能性があったため、遺族に相談窓口の情報提供をしたり、相談に乗ったりしたのは4都道府県にとどまった。

脳血管疾患や心臓疾患による死亡、または精神障害による自殺など、過労死の可能性が高い事例を把握しているが、特に積極的に対応していない教育委員会は20都道府県、3政令市あった。

文科省では、教育委員会に対し、学校における働き方改革の動きも踏まえ、長時間労働やメンタルヘルスに関する相談窓口を設置することや、公務災害認定に対する相談体制を整えるよう通知。教職員が過労死した場合には、過労死した教職員の勤務状況を確認し、公務災害の可能性があれば教育委員会に報告すること、遺族が公務災害の申請をした場合は、勤務状況の記録を保存し、相談窓口の情報を提供したり、公務災害の相談に乗ったりするよう求めた。

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