AKB48で著作権を考える 音楽の授業で知財創造教育

知財創造教育の一環で、中学2年生が著作権について調べ学習する音楽の公開授業が1月23日、東京学芸大学附属世田谷中学校(加藤泰弘校長、生徒431人)で行われた。

バリエーション豊富なAKB48のCDを見せる原口教諭

生徒らはアーティストやレコード会社などの権利を知り、書籍などを基に著作権の問題をレポートにまとめた。

授業は2時間連続で、図書館を使って実施された。まず、生徒らは昨年のCD売り上げランキングで1位となったAKB48の『サステナブル』を鑑賞。CDの売り上げに対し、アーティストや作詞家、作曲家がどれくらいの印税を受け取れるのかを学んだ。

『サステナブル』以外にも数多くのヒット曲を作詞している秋元康さんの印税を予想した生徒らは、驚きの表情を浮かべた。

次に、さまざまなアーティストのCDを調べた。多種多様なバージョンを出したり、おしゃれなジャケットデザインを施したりしているアーティストと、シンプルなジャケットのアーティストを比較し、CDの売り上げを重視するか、インターネットからのダウンロードを重視するかといった、ビジネスモデルの違いなどにも関心を寄せた。

2時間目は、図書室にある著作権に関する書籍や新聞記事などを読んだり、インターネットで調べたりして、現状の著作権の問題や、自分自身が作り手となったときに意識しなければならないことを考え、レポートにまとめた。

書籍やインターネットで著作権の問題について考える生徒

生徒らは「インターネットで簡単にダウンロードできるようになったので、それが違法かどうか、見極めが大切だ」「作り手が新しい作品を生み出すためにも、著作権を尊重しなければと思った」「知らずに犯罪者になっていることもある。一般の人も著作権についての意識を高める必要がある」と考えを述べ合った。

こうした授業を前任校から実践してきた授業者の原口直教諭は「中学校では、著作権は『技術・家庭科』で学習しているが、生徒にとって身近な音楽を切り口にして、著作権に対するハードルを下げようと考えた。授業を通じて、生徒は世の中の著作物の使われ方に関心を持つようになり、その使われ方が正しいのか、自分で調べるようになる」と狙いを説明する。

政府の知的財産戦略本部の議論を踏まえ、内閣府では新しい知的財産の創造を促し、創造されたものを尊重する考えを育てる「知財創造教育」に取り組んでいる。2017年には、産官学が連携した「知財創造教育推進コンソーシアム」が設立され、全国の学校での授業実践や教育プログラムの開発を通じて、知財創造教育の普及を目指している。授業はその一環として公開された。

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