学力調査のCBT化、デジタル教科書に意欲 萩生田文科相

萩生田光一文科相は1月31日、閣議後の記者会見で、全国学力・学習状況調査のCBT(コンピューター使用型調査、Computer Based Testing)による実施について、GIGAスクール構想による小中学校の1人1台端末や高速大容量ネットワークの整備を踏まえ、「早期の実現を目指したい」と意欲を示した。

学校のICT整備について説明する萩生田光一文科相

ただ、一部の報道で伝えられた2023年度からの全面移行については、「十分な検討が必要なので、年度を区切って省内で検討している事実は全くない」と否定した。また、デジタル教科書の無償提供について、「義務教育には国が責任を持って環境整備していく」と積極的に導入する考えを示した。

CBTは、生徒の解答状況により自動的に難易度の異なる出題をする多段階適応型テストなど、新学習指導要領が掲げる公正に個別最適化された学びに対応した学力調査を可能するほか、テストや採点に関わる作業が軽減化されることから学校の働き方改革にもつながるとの指摘がある。経済協力開発機構(OECD)による生徒の学習到達度調査(PISA)は、2015年調査から記述式問題を含めてCBTに移行し、18年度調査からは多段階適応型テストが導入されている。

全国学力調査のCBT化について、萩生田文科相は「具体的な実施方法や必要な準備、試行その他、専門的・技術的な課題も含めて、まだ十分な検討が必要」としつつ「学校の先生方の負担軽減にはつながると思う」と説明。「(学校のICT整備は)令和のスタンダードにしていかなければならない。その結果として、使えるものは全て使っていく」と述べた。

文科省では、22年度の全国学力調査から実施を予定している中学校の英語で、CBTによる「話すこと」調査の実施を検討している。

これについて、萩生田文科相は「スピーキングに機械のハードを使う意味でのCBT化であれば、直ちに取り組むこともできるかもしれない。ハードとソフトの両面で整備しながら考えていきたい。ただ、(全国学力調査の)すべてをCBTで対応できるかは、まだ検討が始まっていないので、幅広に考えてみたい」と説明。

今後の検討課題として、PISAのように試験後に問題を非公表として、次回のテストに同じ問題を使って学力の変化をみる試みや、記述式問題の扱いなどに言及した。

また、デジタル教科書の無償提供について、「全ての教科書がデジタルに移行する必要はないが、デジタル教科書を使うことで習熟度や理解度が増すものについては、目の前にツールがあるのに使わない手はない。より授業が充実するならば、積極的に使っていきたい。義務教育ならば、国が責任を持って環境整備をしていく。まずは政府全体で共有してもらい、理解を得られる環境をこの一年でしっかりつくっていきたい」と述べ、積極的に取り組む考えを示した。

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