全校道徳にユニット道徳 国研の研究指定校が実践発表

各教科・領域などの課題について各地の研究指定校が成果を発表する、国立教育政策研究所主催の教育課程研究指定校事業研究協議会が2月7日まで、都内で開かれている。開催2日目の5日には、今年度から教科化された中学校道徳科の分科会があり、3学年が縦割りで学ぶ「全校道徳」の授業実践や、カリキュラム・マネジメントによる学校行事などと連携した「ユニット道徳」の試みが報告された。

中学校道徳科の実践を発表する研究指定校の教員

大阪府豊中市立第十六中学校では、全教職員で道徳教育に取り組むべく、学級担任以外の教員が道徳科の授業を受け持つローテーション授業や、全学級の道徳科公開研究授業などを実施。模擬授業などを通じて発問や板書の改善を図った。

さらに、学年や全校で同じ教材を用いて授業をする「学年道徳」や「全校道徳」では、異なる学級や3学年の縦割りで多様な考えを活発に話し合う活動を展開した。

同校の山野佳世子校長は「全校道徳は、体育大会で結成した団を活用し、縦割りの関係性や熱気を道徳での話し合いに生かした。3年生がリーダーとして引っ張りながら、1年生も安心して意見を言える雰囲気をつくることができた。研究を通じて、教職員がチームとなって取り組めるようになった」と手応えを振り返った。

京都府立大原野中学校では、道徳科の内容と、関連する各教科の内容の学習時期を整理した「関連単元配列表」を作成し、各教科や学校行事などと連動させて道徳科の授業を実施する「ユニット道徳」を導入した。

例えば、ノーチャイムデーを実施する前に、各学年の道徳科の授業で「順法精神」や「節度、節制」について考えさせることで、生徒自身がその道徳的価値を実感できる道徳教育を展開した。

発表した山本澄代教諭は「『ユニット道徳』をさらに計画的に実施し、明確化する必要があると感じている。職員室に『関連単元配列表』を掲示するなど、見える化することで教職員が常に意識できるようにしていきたい。教科や学校行事だけでなく、特別活動と連携した『ユニット道徳』の新たな可能性も見えてきた」と、来年度に向けた課題を振り返った。

指定校の報告を受け、国立教育政策研究所の飯塚秀彦・教育課程調査官は「育てたい生徒像や学校が抱えている課題について、教職員の共通理解がなければ、道徳教育もまとまらない。道徳科を要とした道徳教育が学校全体でできているか、自分の学校の全体計画や指導計画などを見直してほしい」と参加者に助言した。

同分科会には、全国から約150人の教員らが参加した。

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