標準授業時数の在り方見直し 教育課程部会で議論開始

中教審初等中等教育分科会の教育課程部会は2月5日、第115回会合を開き、学校の教育課程における標準授業時数や、発展的な学習の位置付けに関する検討をスタートさせた。小学校高学年での教科担任制の実施や働き方改革を踏まえ、標準授業時数の在り方の見直しに着手する。

標準授業時数や発展的な学習の在り方について議論する教育課程部会

2022年度からの小学校高学年における教科担任制導入などを盛り込んだ「新しい時代の初等中等教育の在り方」に関する「論点取りまとめ」では、先端技術の活用を踏まえた年間授業時数の在り方や学年を超えた学びについて、早急に検討する必要性を指摘した。

また、文科省が公立小中学校を対象に実施した、18年度の教育課程の編成・実施状況調査では、小学5年生で標準授業時数を上回る年間授業時数を計画している学校が25.7%を占めるなど、授業時数の増加によって現場の負担が増えていることが示され、新学習指導要領の全面実施を前に、標準授業時数の見直しが懸案となっていた。

こうした背景を踏まえ、この日の会合では、部会長の天笠茂・千葉大学特任教授が標準授業時数の捉え方について、副部会長の市川伸一・東京大学教授が発展的な学習の在り方について、それぞれ議論の入り口となる論点を提示した。

天笠教授は学習指導要領の改訂の動きと合わせ、標準授業時数の定義がどう変遷していったかを整理した上で、「標準授業時数が、教育水準の確保で歴史的に大きな役割を果たしてきたことは認めてよい。今、改めて問われているのは、授業の質的な改善と授業時数の在り方だ。授業の質的な改善に授業時数がどうかかわっていくか。働き方改革や小学校高学年での教科担任制を踏まえ、授業担当者の持ちコマの問題も検討すべき事項だろう」と問題提起した。

補充的な学習や発展的な学習の捉え方について発表した市川教授は、発達段階に応じて、ドリルなどによる基礎的な知識・技能の習得から、学習観や学習方略を身に付けさせることに移行する重要性を指摘。

「発展的な学習として上の学年の学習内容を習得させることは、基礎的な知識・技能が中心となり、思考力、判断力、表現力の育成が見逃されがちになる。学習内容の深い理解や知識の活用、思考や創造につながる学びも必要だ」と指摘した。

委員からは「履修主義と修得主義の二者択一を超えて、一人一人の学力を伸ばす教育への転換が求められている。EdTechの活用により、効率的に学べるようになることで、社会課題に応じた学習やSTEAM教育に時間を充てられる可能性が出てくる」「標準授業時数の確保は日本の学校教育の基盤、機会均等を保障しているとも言える。現行の標準授業時数は公教育の観点から維持していくことも大切ではないか」「学校は教科以外にも特別活動などを抱え、年間の教育課程編成はぎりぎりの状況だ。授業の質を下げずに、ICTを活用して効率化していくことには意味がある。学校に余裕がない中で『総合的な学習の時間』が形骸化している点も懸念している」などの意見が出た。

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