「公共」見据え消費者教育 徳島県立鳴門高校が単元開発

2月7日まで都内で開かれている、国立教育政策研究所主催の研究指定校事業研究協議会は開催3日目の6日、高校公民科の分科会が都内で開かれた。新学習指導要領の新科目「公共」を見据え、ゲノム編集食品をテーマにディスカッションする授業実践が報告された。

授業の狙いを説明する山本教諭(左)

実践報告した徳島県立鳴門高校では、1年生の「現代社会」の授業で、消費者庁が作成した『社会への扉』を活用し、消費者問題や契約などについて4時間で学ぶ単元を開発。4時間目では「ゲノム編集食品の販売解禁」をテーマに、生徒が考えを議論する授業を実施した。

生徒らはグループで話し合った考えについて、それぞれ、功利主義と義務論を横軸に、推進派と慎重派を縦軸にしたマトリックスで整理。他のグループの異なる見方、考え方を基に、さらに思考を深め、消費者が行動して社会を変えていく「消費者市民社会」への参画意識を持たせた。

授業を行った同校の山本義裕教諭は「ゲノム編集食品の表示が義務付けられていないことに、生徒は驚いている様子だった。その表情を見て、授業の内容を深く思考していることを見取ることができた。授業では生徒が自分の考えを判断・選択する場面を多く設けた。今後は、生徒の思考過程を把握し、評価にも活用できるように、ワークシートの改善に取り組みたい」と実践を振り返った。

また、「公共」の課題について同教諭は「『公共』における見方・考え方を働かせる題材の設定がポイントになる。生徒の意見が分かれ、議論が活性化するようなテーマについて、教員がどれだけ引き出しを持っているかが問われる」と話した。

徳島市に消費者庁のオフィスがある徳島県では、同庁と連携して『社会への扉』を使った消費者教育を県内全高校で実施している。同校は「公共」の実施を前に、来年度は消費者教育に続き主権者教育の単元開発にも取り組む方針。

分科会には全国の高校教員ら約50人が参加した。

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