外国人児童生徒の教科書の課題 検討会議が報告書案了承

外国人児童生徒の増加に伴う、教科書の使用上の困難軽減策について議論してきた文科省の検討会議は2月12日、第5回会合を開き、報告書案について大筋で了承した。同案では学習者用デジタル教科書や、障害のある児童生徒向けに制作された音声教材などの活用促進を打ち出したほか、障害者のための教材作成を目的に、教科書の複製などを認めた著作権法第33条について、外国人児童生徒も対象に含めるよう求めた。

報告書案について大筋で了承した検討会議

文科省の調査によると、2018年度に日本語指導の必要な外国人児童生徒は約5万1000人にまで増加しており、日本での滞在期間の長期化などを受け、児童生徒一人一人の日本語能力も多様化している。こうした背景を受け、検討会議では、外国人児童生徒にとって、授業内容の理解に欠かせない教科書の使用上の課題や、その改善策について議論を重ねてきた。

報告書案では、漢字へのルビ振り機能、音声読み上げ機能のある学習者用デジタル教科書や、障害のある児童生徒の使用を想定し、ボランティア団体によって作成され、文科省から無償で提供されている教科書の音声教材などについて、外国人児童生徒の日本語理解への効果を指摘。

現在、無償供与の対象外となっている学習者用デジタル教科書について、希望する外国人児童生徒が使用できるよう、教育委員会での費用負担の在り方を検討すべきだとした。

また、著作権法第33条では、障害のある児童生徒向けの教材作成のみを対象として、教科書の複製などを認めていることから、外国人児童生徒についても対象に含めることや、より利用が促進されるように教材のインターネット配信を認めることを提言した。

座長の齋藤ひろみ・東京学芸大学教職大学院教授は「現場の教員が、この問題に関わることで、デジタル教材への知識やスキルを向上させることに加え、インクルーシブの考え方が、特別支援教育だけでなく、広く多様な子供たちの教育において重要な理念であることを知るきっかけとなることを期待している」と述べた。

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