定員内不合格は今後「合格ありうる」 方針を一転、沖縄

高校入試で、志願者数が定員に満たないにもかかわらず、学力試験の点数が低いなどを理由に障害のある受験生を不合格にする「定員内不合格」に関し、沖縄県教委は2月12日、2020年度の高校入試については「合格の可能性はある」との考えを示した。これまでは「学びを保障できない」として、受け入れは困難だとしていたが、これを撤回した。

沖縄県在住で、重度の知的障害により県立高校を定員内不合格となった仲村伊織さん(17)の家族らとの交渉後、県立学校教育課が記者団に明らかにした。

仲村さんは小中学校とも地元の学校に通っており、中学校卒業後も特別支援学校ではなく普通高校に通うことを希望したが、学力試験の点数が低いなどを理由に、志願者数が定員に満たない県立高校を2年連続で不合格となった。

仲村さんの家族が受け入れを求めたのに対し、同県教委は19年11月、学校教育法の規定や文科省の通知などを根拠に、▽高校は小中学校と異なり、特性に応じた特別な教育課程の編成ができない▽特別な指導をする「通級による指導」は発達障害や身体障害を対象としており、知的障害は含まれない――として、「高校では学びの保障ができない」との見解を示した。

同県教委では平敷昭人教育長らが20年1月、「先進地での事例を参考にしながら進めていきたい」として、定員内不合格を出さず重度知的障害の生徒も受け入れている大阪府などを視察した。その上で、「沖縄県で4月からすぐに、特性に応じて支援員を配置する制度を導入するのは難しい」として、「特別支援学校の教育の枠組みなどで、高校生と交流できるよう検討している」と改めて理解を求めた。

これに対し、仲村さんの家族と県内外の支援者ら約50人は同月30日、考え方の撤回と高校への入学許可などを求め、県教委と10時間以上にわたって話し合った。県教委は「『学びが保障できない』という表現には誤解があった」としながらも、受け入れについては「制度設計に時間が掛かる」として、20年度の受け入れは困難だと伝えた。

2月12日には2回目の話し合いがあり、県教委は一転して「学びを保障できる」という新たな方針を示し、合格の可能性に言及した。さらに、新たな方針を県内高校の校長に周知する方法や、入試当日の合理的配慮の内容、不合格になった場合の対処策など、具体的な調整について仲村さんの家族の要望を聞いた。

県教委は今後、2月14日に開かれる県高校校長協会の定例研究協議会で、新たな方針を説明し、定員確保を求める通知も追って各高校に出すとしている。ただ、現行の入試制度は定員内不合格が出る仕組みを維持しており、合否の判断は各高校の校長に委ねられる。

仲村さんの定員内不合格を巡っては、れいわ新選組の舩後靖彦参院議員が2月10日、沖縄県教委を訪れ、改善を求める要望書を提出していた。

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