「島耕作」で公徳心を考える 中学校の道徳で研究授業

今年度から教科化された中学校「道徳」の公開授業(東京都中学校道徳教育研究会主催)が2月13日、東京都江東区立大島西中学校(月田行俊校長、生徒405人)で開かれた。1年生の授業では、弘兼憲史さんのロングセラービジネス漫画『課長島耕作』を教材にして、公徳心について考えた。

漫画の登場人物の気持ちを掘り下げる武田教諭

授業では、主人公の島耕作が朝の通勤ラッシュの満員電車内で引き起こした、ちょっとしたトラブルの場面を取り上げた。島は乗り合わせたおばあさんの様子を見て、目の前で新聞を広げて座っている男性に席を譲るよう頼んだが、その男性から「冗談じゃない」と反論され、言い争いに発展。結局、その様子を見かねた隣の席の乗客がおばあさんに席を譲ったものの、後味の悪さが残ったというストーリー。

生徒らは漫画を一読した後、登場人物になりきる役割演技を行った。授業者である東京都府中市立府中第一中学校の武田彩教諭が「電車の中で一番嫌な思いをしていたのは誰か」と問うと、生徒の答えは「おばあさん」と「周囲の人」に二分された。

これをきっかけに、生徒らはそれぞれの登場人物がそのときどんな心情だったのか、発言を重ねていった。

その後、「誰もが気持ちよく過ごせるには、どんな気持ちが大切か」について、ワークシートに自分の意見を記入。グループ内で共有した。

生徒らは「口調をもっと穏やかにして伝えたらよかったと思う」「島耕作はおばあさんだけでなく、周囲の人にも気を配ればよかった」など、考えたことを発表し合った。

武田教諭は「授業の狙いは公徳心で、生徒には、社会全体や周囲のことを考える視点に気付いてもらおうと考えた。『課長島耕作』の登場人物は大人ばかりだが、役割演技を取り入れたことで、大人の気持ちも想像しやすくなったのでは」と授業の意図を話した。

公開授業には、教員ら約100人が参加した。

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