【共通テスト】国語問題の作成委員が例題集に関与

来年1月に初めて実施される大学入学共通テストで、国語の問題を作成する大学入試センターの分科会に所属していた複数の委員が、昨年8月に民間の教科書会社が発行した国語記述式問題の例題集に関わっていたことが関係者の話でわかった。萩生田光一文科相は2月18日の閣議後会見で、「社会的な疑念が生じないようにすることが必要」だとして、大学入試センターに問題作成に関わる委員の守秘義務を厳格化するよう要請したことを明らかにした。

記者会見する萩生田光一文科相

問題とされたのは、導入予定だった国語の記述式問題について、10の問題例と解説などを記した受験生向けの例題集。関係者によると、大学教授ら執筆者8人の中に、大学入試センターが共通テストの問題作成のために設置された国語分科会の委員が複数含まれていた。複数の委員は利益相反の疑いが指摘され、辞任したという。

大学入試センターは2月17日夜、問題となった例題集の内容を国語分科会会長に照会したところ、作成途中だった記述式問題の内容を類推できるような情報は記載されていないことを確認した、との声明を公表。「マーク式問題への影響も含めて、受験者が当該『例題集』を利用したことによって、特別に有利になるような情報はありません」と表明した。

取材に応じた大学入試センターの担当者は、例題集の執筆者に問題作成に当たっていた委員が含まれるかは「委員の特定につながりかねない」として答えなかったが、昨年10月に複数の委員が同時に辞任を申し出て、今年1月に受理されたことを明らかにした。委員は在任中に入試に関する出版や講演をしないことが慣行として守られてきたという。

こうした経過を受け、萩生田文科相は18日の会見で、「今回の例は、先に教科書会社から執筆や制作の依頼があって、その後に委員に就任した経緯があったようなので、こういうことは今後も起こり得る。だからといって、委員に本来の職業を辞めて専任してもらう制度ではないから、ここはモラルを高めていく必要があると判断した」と説明。「現状は確かに違反行為ではないが、やっぱり誤解を招く可能性がある」として、大学入試センターに委員に対する守秘義務を厳格に運用するよう促した。

大学入試センターによると、共通テストの問題作成には約600人の専門家が関わっており、各教科の問題を作成する分科会は20~30人程度の専門家で構成されている。任期は2年。試験問題の機密性や公平性を守るため、問題作成を委嘱された委員には、自分が問題作成に関わっているかどうかも含め、大学入試センターの規則による守秘義務が課されている。委員を退任した翌年度に委員の名前は官報で公表されるが、問題作成に関わる守秘義務は継続される。

次のニュースを読む >

関連

あなたへのお薦め

 
特集