【教科担任制】教員免許状の小中併有 柔軟な制度を要望

中教審の教員養成部会は2月18日、第112回会合を都内で開き、小学校高学年での教科担任制の導入を踏まえた、小学校と中学校の教員免許状の併有について検討した。教育委員会や大学が教科担任制の取り組みなどを紹介したとともに、免許状を併有しやすくする柔軟な制度を要望する声が上がった。

小中の教員免許状の併有に向けた課題を検討した教員養成部会

会合では、小学校専科教員を多く採用している東京都教育委員会と、一部の小学校で中学校教員が小学校に異動し、学級担任を受け持つ「一部教科担任制」を導入している北九州市教育委員会、教職課程で小中の教員免許状の併有プログラムを推進している玉川大学が報告を行った。

都教委は、昨年に国に対して行った、地方分権改革に関する提案の意図を説明。中学校の教員免許状を持つ教員が小学校の教員免許状を取得する際の条件について、中学校教員としての勤務経験以外に、小学校での専科教員としての勤務経験も加えるよう求めた。

都では、「図画工作」や「音楽」などの教科で中学校の教員免許状のみを持っている教員が、小学校の専科教員として配置されるケースが多いことから、こうした教員で中学校での勤務経験がない場合でも、小学校の教員免許状を取得しやすくすることで、人材の有効活用や柔軟な人事配置が可能になると強調した。

昨年度から中学校教員が小学校で専科指導を行うだけでなく、学級担任も受け持つ「一部教科担任制」を導入した北九州市は、各学級担任が専門とする教科を、その学年の全学級の授業を受け持つようにすることで、授業時数が減り、空き時間が生み出されるメリットを強調。

その課題として、小学校では学年全体で時間割を作成したり、他学級の教員が授業をしたりすることに戸惑いがあること、中学校から小学校に異動した教員で、小学校教員の免許状がない場合、担当できない教科があることがネックとなることなどを挙げた。

玉川大学では、希望する学生に対し、成績や資格などの取得を条件に、小学校の免許状の取得に加え、他学部の教職課程で中学校などの免許状を取得できる「ダブル免許プログラム」を実施している。

同学教師教育リサーチセンター教職課程支援室の高野修司課長は「小学校と中学校では専門性が異なる。小中の免許状の併有では、教育実習を小学校と中学校で別に実施する必要があるなど、現状では取得しなければならない単位数が多いのが課題だ」と、免許状の専門性や質を担保しながらも、学生の負担軽減につながる方策を求めた。

委員からは「中学校の教員は小学生の発達について十分に理解しているのかと指摘されることもある。幼児から18歳くらいまでを見据えて、子供の発達をあらゆる校種の教職課程共通で学ぶようにすべきだ」「小学校の教科担任制のメリットは大きいが、小学校教員の倍率低下などと一体的に議論されることには懸念が残る。小学校の現場では、一人の学級担任が全ての授業を受け持つことを重視する傾向がある。教科担任制が小学校の授業改善につながるという考えを持つことが必要だ」などの意見が出た。

会合ではこの他に、ワーキンググループで取りまとめられた、複数の学科間・大学間の共同による教職課程の実施体制に関する報告書についても了承された。

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