ICT支援員を1校に1人 中教審特別部会で委員が要望

中教審初等中等教育分科会の「新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会」は2月21日、第6回会合を開き、GIGAスクール構想を踏まえた学校現場でのICT利活用や、小学校高学年での教科担任制実施に向けた教員配置の課題について議論した。委員らはICT支援員の配置拡充や、中学校も含めた教員配置を検討する必要性などを指摘した。

検討課題とされた事項を協議する中教審特別部会

この日の会合から、特別部会では、昨年末に出した「論点取りまとめ」で今後の検討課題となっていた事項について、議論を開始。

まず、文科省からGIGAスクール構想により、1人1台のコンピューター環境が実現した場合、端末やネットワーク環境といったハード面の整備だけでなく、教員がそれらの環境を活用し、個別最適化された効果的、効率的な学びを展開していくための施策について報告を受けた。

委員の吉田信解(しんげ)埼玉県本庄市長は「文科省のICTを活用した指導体制の充実に向けた施策は、まだ3人に1台のときの構想にとどまっている。もっと1人1台に対応した具体的なビジョンが必要で、ICT支援員ももっと増やしていかなければいけない。教員についても、免許更新講習でちゃんとICT活用指導力を身に付けているかどうかを検証していくような制度設計も必要ではないか。1人1台とするからには、もっと大胆に踏み込んでほしい」と要望。

若江眞紀・キャリアリンク代表取締役も「ICT支援員をもっと学校に配置すべきだ。これまではパソコンの使い方を教えたり、トラブルに対応したりすることが中心だったが、今後は、学校のカリキュラムを支援する人材でなければいけない。ICT支援員の質が今までと異なることを明確に位置付けるべきだ」と続いた。

また、松尾弘子・兵庫県姫路市立白鳥小学校校長は「学校現場では、GIGAスクール構想や新学習指導要領に対応した準備に追われている。ICT支援員を1校に1人配置してほしい。支援員の方が学校にいればすぐに相談に応じてもらえるが、現状では、電話してアポイントを取る必要がある」と窮状を訴えた。

小学校高学年における教科担任制を実現するための教員配置を巡っては、文科省が、学校規模(学級数)やクラスサイズに着目した教育環境の違いを縦軸に、どの教科で教科担任制を実施するかを横軸にして、導入の具体化を検討すべきだとする「論点メモ案」を提示。

縦軸に関しては、小学校の学級数と1学級当たりの児童生徒数は比例傾向にあることを踏まえて、規模に応じて中学校との連携を想定することや、遠隔合同授業を効果的に活用することが、横軸では、教科担任制とする教科について①理科、体育、外国語の3教科②算数、理科、外国語の3教科③算数、理科、図画工作、外国語の4教科④中学校並みの教科担任制――の4案が示された。

これについて貞広斎子・千葉大学教授は「②や③で教科担任制をやるのであれば、中学校の教員の力を借りないといけない。算数や理科など系統的な学びが必要な教科こそ、早い段階から教科担任制を実施する必要がある。また、④のような広い教科担任制を考えるのであれば、中学校区を単位とした学校群をつくり、各小学校にリソースを再配分することも考えられる。そうなると、中学校にリソースを追加する必要が出てくる」と提案。

さらに天笠茂・千葉大学特任教授は「小学校の教科担任制を考える上では、中学校における教科担任制も検討せざるを得ない。その際、中学校の教科担任制が機能しているのかも検討すべきだ。中学校の学級担任は学級活動や道徳などの指導も担当し、学級経営のウエートが大きい。中学校教員の養成についても、小学校段階を踏まえた義務教育段階であることを前提として考える時期に来ている」と述べた。

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